4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/06(水) 23:18:58.06 ID:s2y2te8to
「日陰と、日のあたってるとこを、交互に踏むんだよ」
私が怪訝な顔をしていたせいだろうか、なにも聞かないうちから彼女は説明してくれた。
街路樹の枝葉がつくる影のかたちを楽しんでいるらしい、なるほど強い陽光と歪んだハート形の黒い部分のコントラストは版画か影絵のように見えて、綺麗だ。
「和ちゃんも、一緒にやろうよ」
「遠慮しとく」
ぴょんぴょんと跳ねる唯はほんとうに楽しそうだ。
昔からこの友人はどんな時でも人と違うものを見て、自分の楽しみを見つけて、横から見ていても、飽きない。
飽きないというのは、いい意味でも悪い意味でもある。
幼いころから、こんな風にぴょんぴょん気ままに進んで迷子になった彼女を、何度探したことだろうか。
「今日の補習はどうだった?」
「休みの日にまで学校に来なくちゃいけないなんて、大変だよね」
「今日やったとこは重要なんだから、ちゃんと復習しておきなさい」
「うーん」
肯定とも否定ともつかない曖昧な答えに、すこし不安を感じる。
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