過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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108:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/15(金) 23:27:21.09 ID:PXVe/j9AO
〜2〜

垣根帝督とフレメア=セイヴェルンはロシアンレストラン『Раскольников(ラスコーリニコフ)』の一角にてディナーをとっていた。
店内は貸し切りにされており、テーブルの上でのキャンドルを除いて極力光源が抑えられ……
奏でられるアルモニカより流れるチャイコフスキーをバックに、聞こえるか聞こえないかの睦まじい会話に耳を傾けるのが垣根の常であったが――

垣根「(腹に手当てて“お腹が鳴りそうで鳴らない”だあ?こんな歳からひねた言い方しやがる)」

フレメア「臭い」

垣根「あ?」

フレメア「煙草、臭い。大体、ご飯食べてる時そんなの吸っちゃダメ。お行儀悪いんだよ」

垣根「(しかもガキのくせしておふくろみてえな事言いやがる)」

Ermenegildo Zegnaのスーツを着こなし、ソブラニーのブラックルシアンを吹かす垣根の出で立ちはどう見ても――
どう贔屓目に見てもNo.2あたりのホストか学生ヤクザかにしか見えない。
固くなり過ぎないようモード系のキレイめにしているが――
どう見ても女を食い散らかす事にも飽き果てた人間としての暴力性や危険性が見る者が見れば一目瞭然である。が

フレメア「ダメ」パシッ

垣根「おいっ!」

フレメア「ダメ」ジュッ

垣根「〜〜〜〜〜〜!!?」

唇から煙草をもぎ取られ、灰皿にねじ込まれても垣根は怒るに怒れない。
それはフレメアが怖いもの知らずなせいもあるが――
垣根は『一応』敵ではない一般人に寛容たれという己の流儀を子供相手に曲げられない。
ましてや喫煙を咎められて怒鳴り散らしてはただの悪党ではなく小悪党以下だ。

垣根「(くぅおんのガキがぁ〜!!)」

フレメア「大体、そんな臭いの吸ってたら女の子にモテないよ?キスしてもらえないよ?」

垣根「(ちっ……どっかの頭のイカレたライオン女みてえな真似しやがって)」

垣根にとって思い出したくもないが、かつてプールバーで一人飲んでいた女がおり……ナンパ待ちか?と思い声をかけたところ

『煙草臭えんだよ、腐れホスト。キャッチかますなら財布と股の緩い女かどうかの見分けぐらいつけとけ、ボケが』

と頭からバーボンウイスキーをぶっかけられ大恥をかかされたのだ。
それ以降、その栗色の髪の女とは会っていない。




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