過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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143:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/17(日) 21:27:13.14 ID:3guX2yCAO
〜13〜

シュンシュンシュンシュン……

上条「あーやっちまったー……失敗だ」

禁書目録「?」

――と、物思いに耽って部屋の片隅にこもっていたインデックスの……
耳に届くはヤカンの湯沸かし音。部屋に響くは上条の声。
何やらキッチンにて何かを作っていたようであり――
インデックスは振り向かずともその正体が匂いでわかった。

上条「参ったなー……間違えた」

禁書目録「(……カップラーメン……)」

それはキッチンの灯りの下、湯気を立てて注がれていくスーパーカップ2.0全部いりのとんこつラーメン。
猟犬部隊の嗅覚センサーもたるやというインデックスの食への妄執を擽るに足る、プルースト効果さえ及びもつかない香りの暴力。

上条「ちょっと小腹空いたからってつもりだったんだけどなー……インデックスー?」

禁書目録「……なあに?」

上条「――悪いんだけどさ、これちょっと食うの手伝ってくれねえか?多分っつーか絶対食いきれない」

禁書目録「……しずりが、夜食べたら太るしきりがないからダメって言ってたんだよ」

麦野、インデックスを含めた上条家のルールの中の一つには『夜食禁止』というものが存在する。
一度インデックスがそれを破った時、麦野の手により冷蔵庫に電子ロック式の鍵が取り付けられ夜間の開け閉めが一週間出来なくなった事がある。が

上条「――いいぞ?なんせ俺がルール破っちまったんだ。俺が許す!」

禁書目録「……共犯?口止め?買収?」

上条「いやいや、手伝ってほしいんですよ上条さんが。このままじゃ捨てちまう事になるしな。そんなもったいねえ事したらお百姓さんに申し訳が立たねえよ」

インデックスは知っている。まずスーパーカップなどと言う大物を他の製品と間違う事など有り得ない。
インデックスは知っている。お百姓さんはカップラーメンなど作ったりしない。
インデックスは知っている。つい先程まで麦野のご飯で上条はお腹いっぱいで動けないとダラダラしていたのを。

禁書目録「(――馬鹿っ)」

そんな初歩的な手で釣るなど誰が乗ってやるものかと思ったが――
女が損ねて斜めにした機嫌をどう直したものかもわからない少年の……そういうところが、そういうところが――

禁書目録「仕方無いなあとうまは。ほらっ、持ってくるんだよ!」

上条「へいへい」

―――ただのカップラーメンが、とてもあたたかそうで―――


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