過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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148:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/17(日) 21:34:37.08 ID:3guX2yCAO
〜18〜

と、その時――

ジッ……ジジッ……フッ……――

御坂「あっ……」

突然、御坂の視界が暗転した。どうやら浴室の照明がその生涯を終えたらしい。
あっという間に牛乳風呂の湯をすくっていた自身の手元すら見えなくなる。
途端に真っ白だったお湯が暗い海の水のように御坂には思えた。

御坂「シャワーまだなのに……もー……第四位?第四位ー?」

思わず声を上げ、猫足バスタブから手を伸ばして浴室のドアを開き麦野へと御坂は呼び掛ける。
電磁波で空間把握する事などボウガンの少年との会敵を引き合いに出すまでもなく御坂にとっては朝飯前だが……
如何せんして牛乳風呂に濡れた身体を清めるのにシャワーは欠かせないし、何より気味が悪かった。

麦野「あーん?今度は何よー!?」

御坂「お風呂の電球切れちゃったみたいなのー!!」

麦野「ちっ……」

遠くからさえ聞こえてくる大きな舌打ち。見ていた海外ドラマが良い所だったのか先程の取っ組み合いが尾を引いているのか……
麦野のすこぶる機嫌の悪そうな声に、御坂は一瞬声をかけた事を後悔した。が

麦野「――次から次へとまあ落ち着きないヤツねえあんたは……」

御坂「これは私のせいじゃないわよ……」

それから一分するかしないかの内に、麦野が替えの電球らしき箱と……
そして青白い火のついた、青い薔薇のアロマキャンドルを明かり代わりに持ってやって来た。

御坂「ごめんね本当に……シャワーまだでさ、やっぱり暗いお風呂場って不気味で」

麦野「はいはい。ちょっとこれ持ってて」

御坂「うん……あっ、ブルーブラッドのブルーローズじゃないこれ。人気あるわよね?」

麦野「ああ、そうみたいね。それが最後の一個だった」

青い薔薇……『不可能』『神の祝福』『奇跡』の花言葉を意味する自然界には存在しない品種。
しかし学園都市では『外』と違い完全に、完璧に改良されつくした人造の奇跡だ。

麦野「……ったく、いくら私から見えないからって恥じらいってもんがないの?。これだから女子寮住まいのお嬢様は」

御坂「私達、もう一緒にお風呂入った事あるじゃない。夏に」

麦野「そんな事もあったかしらね」




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