過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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16:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/08(金) 21:23:05.83 ID:M0U/e/FAO
〜12〜

バキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!

少年A「……!!」

刹那、真っ向から振るわれた握り拳が横っ面に突き刺さり……凶行に及ぼうとした少年の身体が宙に舞った。
同時に射出しようとしていた自転車もまた全ての制御を失い、共に地面に倒れ伏す。
それはまさに肺の空気がいっぺんに抜けるような衝撃と共に、ノーバウンドで金網に叩きつけられたのだ。

禁書目録「とうま!」

そこで初めて状況を把握したインデックスがベンチから飛び出して駆け寄って行く。
まるでちくわをエサに釣られたスフィンクスのようにとてとてした歩みで。

御坂「アイツ……」

その突然の出来事に、思わず御坂も唖然とする。一瞬、今起きた凶行が演算と共に脳裏から消え失せるほどに。
代わって胸裏を埋めて行く、曰わく形容し難い感情が満ち充ちて行く。
つい数日前に合わせた顔だと言うのに、夕焼け以外の何かに染まる頬の火照りにかぶりを振って

雲川「いきなり駆け出さないで欲しいんだけど。何かと思うんだけど……あれ?青髪は?」

次いで姿を表すは、上条の通う高校の冬服セーラーの女学生。
そよぐ秋風に煽られる黒髪を手で押さえながら、検分するかのように辺りを見渡しながら悠然と歩を進める。
恐らくは銃弾飛び交う戦場や、敷き詰められた地雷原であったとしても揺るがない足取りで闊歩しつつ

上条「はあっ……なんなんだ?コイツ……女の子は……行っちまったか」

たった今、拳一つで幼い少女の命を半ば無自覚で救った上条当麻もまた、我に返って状況把握に勤めていた。
幼い少女が通り魔に狙われ、それを御坂がレールガン代わりに缶コーヒーを撃ち出し、それに乗じて身体が勝手に動いたのだ。
打算も何もなく、計算など過ぎりもせず、勝算など計りもせず。そして――

麦野「――帰る時は電話かメール寄越せって言ったわよねえ?かーみじょう」

上条「げっ」

麦野「……その女はどこの誰かにゃーん?」ゴゴゴゴゴゴ

ボウガンよりも遥かに生命の危機を見る者に予感させる、心臓を握り潰すような微笑が出迎えた。




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