過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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167:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/19(火) 21:06:31.59 ID:5HPWMU5AO
〜4〜

麦野「あんたさ……」

御坂「ん?」

麦野「どんなの観るの?」

と、珍しく麦野がソファーにて寝間着代わりに使っている上条のワイシャツ一枚の格好で御坂に話を振って来た。
御坂に対する当てこすりなのか、はたまた普段通りにしているだけなのか……
対する御坂はBDのパッケージを置いて足を投げ出した。

御坂「わかんないなあ……佐天さんみたいに好きなアイドルとか役者とかもいないし。一一一知ってる?」

麦野「ああ、確かにイケメンだねあれは。好みじゃないけど」

御坂「その一一一主演のヤツは一通り摘み食いで見たんだけどなんか合わなくって……そりゃ、こんな恋愛出来たらいいなって思う事もあるけど」

麦野「ふうん」

それに対して麦野がごろんと寝返りを打って御坂を見やる。
栗色の巻き毛を枕のようにしてだらんと、だらしないほどリラックスした姿で。それに御坂は意外なほど目を奪われた。

御坂「私ね……笑われるかも知れないけど、男の子とまともに手つないだ事もないんだ」

麦野「そうだろうね。そんな顔してる」

御坂「――だから、ドキドキしながらでも、一緒に手繋いで、ただ歩くだけでも出来たらそれで満足かな……って」

麦野「………………」

御坂「どんな感じなんだろうって思うの。好きな人と付き合えて、その人が自分の中の真ん中とてっぺんにいて、そこで何するのも初めてで……ううん、一人でして来た事全部が、二人でするならみんな初めてかなあ……って」

麦野「〜〜〜〜〜〜」

御坂「好きだった時からドキドキしてるはずなのに、付き合ったりなんかしたらドキドキしすぎて寿命追っ付かないかも……な、なーんてね」

麦野「(どこを逆さに振ればそういう発想が浮かんで来るんだこいつ)」

なんて残酷な質問をしてしまったのだろうと言う後悔が、聞かなきゃ良かったと言う後悔に取って代わる。
言うまでもなく麦野は少女の感性より先に女の情念を身につけてしまった質である。
恋愛に至る過程が、救済と言う出発点から入り、今は共に戦うと言う道筋なのだ。

御坂「あ、あんたは……?」

麦野「えっ……」

御坂「あんたは……あいつと付き合ってる今、どんな事したいの?」

麦野「――――――」

御坂「あ、あるでしょ?その……色々」

しかし――そこで掛けられた問いに、麦野はすぐに答えられなかった。




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