過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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作者
◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/07/19(火) 21:28:05.34 ID:5HPWMU5AO
〜15〜
麦野「―――………」
御坂「馬鹿の考え休むに似たりって言うけどさ、あんたの雰囲気ってなんかもうノイローゼみたいな感じがする。でもね?あんたがあそこにいるのを責める人間なんて誰一人いなかったでしょ?」
麦野「……あんたはどうなのよ」
御坂「私の事は私!……そんなさ、何だかやり直す事さえ諦めたような投げやりな感じもうやめよう?」
麦野「(―――似てる……―――)」
右目に諭す御坂、左目に笑む上条を麦野はその時幻視した思いだった。
性別も違う、レベルも違う、関係性も違う、なのに重なる鏡像。
そう、麦野の中にあって『ただ一つの救い』で『なければならない/あらねばならない』存在の二重写し。
麦野「……ガキが」ポスッ
御坂「えっ!?」
麦野「馬鹿馬鹿しい――」
御坂の肩に寄りかかるようにして、そのままソファーに倒れ込む。
苦しくてたまらない。全身から疲労に、脳の芯から疲弊に近い感覚が押し寄せてくる。
受け止め損ねて押し倒された御坂が慌てふためく声を、麦野は遠く聞こえた気がした。
麦野「(―――御坂、あんたは当麻の“味方”であっても、私の“敵”じゃなくちゃいけないんだ)」
――御坂がインデックスを受け入れ御坂を跳ねつける理由。
それは御坂が、絶対に揺るがない正しい者として、過ちとわかっていて振り切ろうとする麦野の前に立ちふさがる存在でなければならないと言う事。
麦野「(皆が私の味方で、同じ局面で倒れたら――私が死んだ後、誰が当麻を支えるんだ)」
麦野が欲しかったのは、過ちを正す存在。『悪』の自分を討つ『善』の自分、御坂美琴。
御坂は自分と違った角度での上条を支える存在でなければならない。
似たような駒は同じ局面で全滅する可能性が高い。だから――
御坂は、黒白の盤外に位置せねばならないと……
麦野沈利の死の後、すぐにでも上条当麻を支えられる存在。欠けた双翼を補う片翼の駒として――
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