過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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295:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/29(金) 21:23:45.29 ID:0s0AWUMAO
〜14〜

次の瞬間、その場に有り得ざる声音が上条の鼓膜を震わせた。

上条「……へ?」

姫神「」

そこでやっと気づく。自分が座っている窓際の席。
この強風の中にあって雲さえ散らされる晴天の陽射しに突如として落ちる影。
それは人のシルエットに近く、また鳥のようなフォルムをしていた。

麦野「………………」バッサバッサ

禁書目録「………………」フヨフヨ

上条「」

姫神「とっ。鳥??」

何と――上条の教室の窓の外に、インデックスを抱きかかえながら羽ばたく麦野の姿があったのだ。
原子崩しから成る十二枚の光の翼。地上から数えて2、3階部分に当たる空中にて――
ランチバスケットを抱えた死の天使達が舞い降りた。

麦野「お届け物でーす。朱肉ねえから血判で☆」

禁書目録「受取拒否は受け付けないんだよ☆」

姫神とハートマークが飛びそうな『あーん♪』状態のまま凝り固まったままの上条に――
インデックスは夜の訪れを思わせるドス黒いオーラを漂わせて。
麦野は神々しいまでの狂気に歪んだアルカイックスマイルを浮かべて。

上条「……なにしてるんでせうか?」

麦野「テメエこそ何やってんだ?コラ」ニコニコ

上条「おっ……おかずを……分けてもらおうって……」

麦野「オカズなら昨夜あげたよね?何他の女に鼻の下伸ばしてんのかにゃーん?」ニコニコ

上条「さ、財布……忘れて……」

禁書目録「持って来てあげたんだよおサイフ。ご飯と一緒にね。けどお楽しみでお取り込み中だったみたいだね。とうま」

上条「………………」

麦野「………………」バッサバッサ

禁書目録「………………」プラーン

教室の窓際席の外に舞い降りた天使達とガラス越しに見つめる高校生という現実離れしたシチュエーション。
しかし――これは現実である。ほとんど浮気現場を目撃したに等しい状況下に憤怒を越えて笑顔の麦野。
そして時を停めた彫刻のような上条、阿修羅か羅刹のような表情のインデックス。

麦野「……かーみじょう?」ニコニコ

――忘れてはならない。十字教の天使の翼とは猛禽類の翼をモチーフとしている事に。
もちろん猛禽類は麦野、狩られる獲物は言うまでもなく――上条である。

上条「は……ははは……」

それが上条の最後……否、最期の笑顔であった。




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