過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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331:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/02(火) 21:15:29.45 ID:lrjKmZUAO
〜9〜

年下の男、というのは私の目からするとガキ以前の子供のように見える。
例えば私とこいつは二歳離れてる。この二歳というのを仮に身長に置き換えてみよう。
イメージで言えば20センチくらいあるような気がする。
けれど――こいつは背伸びというものをしない。知らないんじゃないかとさえ思う時がある。

上条「ファストパス……えーっと指定時間の……」

麦野「まっ、無駄に並ばず時間になったら行きたいアトラクションに乗りゃいいって訳」

上条「ああそうそうそれそれ。流石にこの風の中吹きっさらしで待つのは勘弁だもんな」

麦野「馬鹿ね。その間に色々見て回れたり食べたり出来るでしょー?」

上条「あっ、そうか」

麦野「(ダメ男……いや、この年のヤツなんてみんなこんなもんか?まあ変に手回しから根回しからバッチリ仕込んでるこいつってのもキモいし)」

自慢じゃないけど私の身長がだいたい160半ば。少し高いヒールだと170近くにはなるでしょうね。
でもってこいつが170行くか行かないか。こいつは現実と同じ私の身長差で私と接する。言わば同じ目線だ。
恋人なんだからそれは当たり前でしょ?って普通思うでしょうね誰だって。けど

上条「そうだなあ……沈利、何から攻めてみる?」パラッ

麦野「パンフ?うーん……このグルグル回るのは別にいいな。このジェットコースターは?」

上条「(ジェットコースター……か)……いや、こっちの水に落ちるみたいなヤツがいいな?」

麦野「なに?あんた怖いの?ビビってんのー?かーみじょう」ニヤニヤ

上条「にゃろう……あのですね麦野さん?上条さんにもこれは深い考えが」

麦野「はいはい。じゃあ深い考えより浅い水のやつにしようか」タッ

上条「待て麦野!」

私はプライドが高い。欠点と呼んで良いレベルで。
でもこいつはそんな事お構い無しだ。プライドが邪魔して言えない事出来ない事……自分でさえ無駄と思えるこだわり。

麦野「待たないわよ!散々待たされたからね!」

プライドは私の武装だ。私を守ってくれるけど、同時に重くて動きが悪くなる。でもこいつは――
ベッドの上にいようが下におりようが私の有り様を裸にする。

当たり前だけど、裸って恥ずかしいんだよ。すごく寒いの。

こいつの前以外じゃ脱げないし、あたためてもらえないとダメなんだ。

抱きしめてもらわないと、怖くてたまらないんだ。

安心して、泣けないんだ。




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