過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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340:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/02(火) 21:28:14.08 ID:lrjKmZUAO
〜18〜

――怖いよ。今まで私が殺して来た人間が亡霊になって帰って来たみたいでね。
首のないヤツ、手足のないヤツ、半身のないヤツ……
全部全部、私がやって来た殺し方でぶっ壊して来た人間みたいに見えるよ。

――あんたと出会って、あんた達と暮らし始めるまでこんな事考えなかったし感じなかった。
ううん……多分、深く考えたり直に感じたりしないようにして来たんだろうね。

『人体』を『物体』と認識出来るレベル、再生治療が不可能なまで破壊しないと……
『生き返ってくるかも知れない』って意識が、冷感症みたい閉ざしている心を揺さぶるから。
おかしな話ね。狂ったみたいにならなきゃ正気を保てないだなんてさ。

もうこの思考自体が多分おかしいんだ。人間として大切な何かが決定的に欠けてる。

あの単価18万のクローンを一万体以上ぶっ殺しまくったヤツがどうだったかなんて知らないけど――
多分、最後の方は自分が何やってるかわかった上で自分でも何してんだかわかんなくなってたろうね。

上条「大丈夫か?」

当麻。私の手を繋げ。手を握れ。手を掴め。手を離すな。
私を逃がさないで。私が逃げないようにしなさい。私が殺して来た人間から目を背けないように。
本当はこれが立体映像か、私の歪んだ心が生み出した幻想かの区別も実はついてないくらいイカレた私を。

麦野「――楽勝ね。やった事ないけど肝試しだって出来そう。来年行く?」

上条「本当に意地っぱりだなあ沈利は……お化けが苦手とか別に女の子なんだから恥ずかしくないってのに」

麦野「可愛げなくて悪かったわねえ」

破裂した内臓拾い集めてる化け物。首から上が吹き飛んで胸のあるなしでしか女ってわからない死体。
『人間』ってわからないようになるまで殺し尽くして来たんだ。それこそこのお化け屋敷の怪物みたいに。

目を開けろ、麦野沈利。目を閉じたって、見えなくなるだけで消える訳じゃない。
殺した人間の影や幻覚が街中や家で見えるだなんて、暗部で駆け出しだった頃の話でしょう?

麦野「――ねえ?こんな可愛くない私でも、あんたは私の事好き?」

――さあ、こいつに嘘をつこう

上条「当たり前だ。可愛くても可愛くなくても俺はお前が大好きだ」

涙が女の武器なら、笑顔は女が一番吐く嘘だ

麦野「――私も」

嘘じゃないのは、あんたの手の温もりとそれが好きな私の気持ち。




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