過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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347:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/02(火) 21:39:00.63 ID:lrjKmZUAO
〜25〜

上条「どうすりゃいいんだ……」

開始早々五分も立たぬ内に上条の頭の中身は外見よろしく焼け付き焦げ付いていた。
俗に言うウンコ座りで頭を抱えるその様はさながら網の上で焼かれるウニが如く泡を吹いて湯気立つ。
確かにこの遊園地のマッピングやアトラクションに関しては授業より真面目に覚えていたが――

上条「ぬいぐるみ……ダメだ。沈利の部屋にあのボロいクマがいる……食器はなんか違う。アロマポッド……ってんなもんここじゃなくたってセブンスミストでだって買えるっての!」

当然、上条当麻の頭に分刻みのスケジュールを組み立てつつ如何なるアドリブにも対応しかつサプライズを仕掛けるような経験値や知識は刻まれていない。
当然女性に人気のあるグッズであるなどと言った下調べなどたかが2ページ足らずの学園都市walkerの特集記事になど載っていない。
思いつきで誘い行き当たりばったりでここまで来たのだから。

上条「“自分だけのもの”……オーダーメイド?ってんなもんある訳が……」

まずキャラクター商品の大概が全滅。お菓子関係の線は最初からない。
日用品関連も望み薄、免税店は最初から手が出せない。
あと残るはガラス工房や遊園地内のケータイショップやブティック関連だが――

上条「(お揃いのもの……でもねえからアクセサリーか?リングはもうあるしな)」

上条は南瓜をくり貫かれたランプのお化けの頭を撫でながら考え込む。
首からぶら下げたブルーローズのリングをチェーンに通した、麦野曰わく『首輪』。
そこで思い当たる。何故自分達はこれを選んだのだろうか?
世間一般のカップルがそうしているからそれをなぞった部分もある。だがその時――

麦野『――シルバーがいいな。重さがそのまま愛情に繋がってるみたいで』

そう語った麦野の横顔が、上条にとって何故か『年上』という事を強烈に意識させられた。
良い意味で何を考えているかわからない、そんな表情をしていたの――上条は鮮明に覚えている。と

女「あーこれすごくない?」

男「ええっ!?お前これはないだろ〜〜」

上条「ん?」

カボチャのお化けを撫でていた上条が何の気なしに振り返ったその先に――
自分達と同じようなカップルがとあるスペースで立ち止まっていた。

上条「あれは――」

それは最初から目を切っていたガラス工房であった。


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