過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/07/10(日) 12:33:10.14 ID:U58nKrMAO
〜6〜
フレメア「はあっ……はあっ」
フレメア=セイヴェルンは降って沸いた襲撃事件から辛うじて難を逃れ、ちょうど学校帰りの学生で溢れるモノレールに乗り込んでいた。
肝を冷やすどころか血も凍るような思いをした中で、泣き喚く事もへたり込む事もせず生存を最優先にしたその精神力はまさに子供離れし大人顔負けである。
フレメア「(怖かった……大体終わったと思ったのに、こういうの)」
腰掛けた座席の衝立にもたれ、手摺棒の低い位置をギュッと握り締めるも小刻みに震える手指は誰かと繋がる事を求めていた。
それは血の繋がった姉フレンダ=セイヴェルンであり、深い繋がりを持つ駒場利徳であった。
しかし彼等に何度電話しても繋がらない。メールも返って来ない。
最も心細い時に、最も側にいて欲しい誰かと繋がれない孤独。
これがもし、フレメアが姉と歳同じくするほどの年輪をその幼い身体に刻んでいたとすれば耐え得るだろう。しかし
フレメア「うう……駒場のお兄ちゃん……フレンダお姉ちゃん……」
それはあくまで大人の視点であり、第三者の視野だ。
孤独と孤立と孤高はいずれも似て非なる意味を持つ。
しかしそれは当事者にしか分かり得ぬ、という共通点を有している。
それを背負うにフレメアの肩はあまりに狭く背中は小さく、足取りは覚束ず頼り無いものだった。
フレメア「あいたいよ……」
一人とは状況だが、独りとは状態だ。個としての心寂しさ、心許なさ、心細さは群集の中でより鮮明化し先鋭化する。
求める誰か一人は、知らない誰か百人に勝る。モノレールの車窓から見える空はすでに茜色から藍色へと変化している。
フレメアの心模様を映し出すように……それを思うと、フレメアは溢れ出しそうな涙を零しそうになる。
と――
男子生徒「おいどけよ!低レベル校!」
フレメア「!」
その時、フレメアの座席から三人分離れた場所から甲高い恫喝と罵声が車内に響き渡った。
思わず振り向くと、底には霧ヶ丘付属と思しき学生服の男女二人が、どこかの女子中学生に絡んでいた。
どうやら座席をどけと口汚く罵っている様子が見て取れた。
女子中学生「い、いやです!どうして……」
女生徒「はあ?はあ?はあ?なになに?聞こえな〜い」
男子生徒「うわ臭っ。ゴミがしゃべってる。うわ臭っせ!臭えー!」
フレメア「………………」
もう、限界だった。
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