過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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371:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/07(日) 21:01:43.74 ID:UIeiMW9AO
〜2〜

御坂『……って言う事があったの』

舞夏『そうかそうかーお食事会かー』

――何とか常盤台に戻った後、私はいつも通り授業を受けて繚乱家政女学校との合同研修に望んだ。
予定通り昨日あの女に分けたディルを使っての調理実習。
オーブンでの焼き上がりまでの待ち時間の間、私と土御門舞夏とシンクによりかかりながら少しだけおしゃべりをしてた。

舞夏『うんうん。仲良き事は美しき事哉美しき事哉ー』

話す事なんて本当に他愛のない事で、最近兄貴に会いにいけないんだー、とか。
そんな時だった。アイツの部屋の隣にこの子のお兄さんが住んでて、シチューを届けに行った時――
あの女といくつか立ち話をしたって言う話題に飛び火したのは。

舞夏『ふふん!麦野沈利とは夏に兄貴達と一緒に流し素麺をやって以来の仲だからなー。それからだなー料理を教えたりするようになったのは』

御坂『……あんたが教えてるの?』

舞夏『そうだぞー。何せ最初は鮭が絡む料理以外はほとんどレパートリーがなかったんだ。ただ兎に角負けず嫌いで、その分飲み込みが早いから教える分にはとても楽しい相手なんだなー』

少し意外だな、と思ったけど流し素麺ってところでピンと来た。
そうだった。アイツの部屋のコルクボードにたくさん貼られてた写真の中に確かあったはずだ。
でも、あの病的なくらいプライドが高いあの女が……人に料理を習うだなんて。

御坂『料理好きなんて家庭的な面があっただなんてねー……まあ私も昨日お呼ばれしなかったらとても信じられなかったけど』

舞夏『ああー違う違う』

御坂『?』

舞夏『あれは料理が好きなんじゃなくて、ただ料理を振る舞う相手の喜ぶ顔が好きなのだよ。麦野沈利自体は自分の作る料理に舌が全然追いついてないからなー』

御坂『――……悔しいけど、結構美味しかったと思うけどな。あれで満足出来ないってどんだけ完璧主義者なのよ』

舞夏『うーん……それもちょっと違うんだなー』

そう言いながらもオーブンに向ける目は油断なく焼き具合を見てる。
あまり表情に変化のない子だけど、その目はちょっと驚かされるぐらい鋭い時がある。例えば

舞夏『――自分を愛せない人間は、自分の作る料理を美味しいって感じられないんだなー』




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