過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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40:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/10(日) 12:36:56.97 ID:U58nKrMAO
〜8〜

女生徒「なっ……!?」

「ああ?口臭えのがこっちまで匂ってくんだよブス。不味いのはそのツラだけにしとけ。キンキン五月蝿くっておちおち寝てもらんねえ」

その時――向かいの席で腕組みしながら船を濃いでいたらしい青年が寝起きの不機嫌さも露わに……
フレメアの髪を鷲掴みにして引きずり回そうとしていた学生らの背中に声をかけたのだ。
ライトブラウンの長髪をガシガシとかきながら、さもうっとおしそうに。

男子生徒「なにカッコつけてんだよナルシス野郎!テメエどこの学校だ!?レベルは?!名乗れよ!!」

「――悪いな。学校行ってねえんだここ何年か」

女生徒「はあ?あんたスキルアウト?なに?群れなきゃ私達能力者に喧嘩も売れないゴミがなにタメ語利いてんだよ!」

「スキルアウトでもねえよ。あんな痩せた野良犬連中と一緒にすんな」

この時、怒髪天に達していた学生らは気づかない。
青年はスキルアウトなどではない事は、その瀟洒なスーツを着崩した姿から推して知るべきだったのだ。
いざ相手に喧嘩を売る段になって、相手の服装や佇まいを見抜けない……
それは、『誰に対し』『どんな相手』に火の粉を飛ばすという事かへの認識不足。

「テメエのレベルがいくつかなんて知らねえが、連れてる女のレベル見りゃそう大した男じゃねえのはよーくわかったぜ?」

女生徒「ああ!?」

「悪食に走るぐらいなら俺は潔く餓死を選ぶね。テメエの乗っかってる男はチープ過ぎる」

そう――この男は学園都市の闇に住まうライオンなのだ。
能力の強弱などという常識の埒外に存在し、己の作り上げた法則の檻内を闊歩する王者。
男子生徒はそれを知らずに青年の襟首を掴み胸倉を締め上げた。
しかしそれでも尚……青年は人を小馬鹿にしきった喉を鳴らした笑みを絶やさない。

男子生徒「気取ってんじゃねえぞコラ!テメエ……」

ライオンにとって強者も弱者もない。あるのは自分以外は全てエサという認識のみ。
この男子生徒は、虎の尾を踏んだのではなく獅子の鬣を掴んだのである。そう――

「――人の服掴むって事は、もう始まってるってこった」

男子生徒「はあ!?」

「でもって終わりだ。ムカついた」




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