過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/08/14(日) 21:15:14.08 ID:0rnOj66AO
〜25〜
――当麻と付き合う前、こんなだけど一応女の端くれでもある私だって少しくらいは考えた事がある。
誰かに恋するだの誰かに愛されるだの、そんな薄ら寒いぬるま湯に浸かる私を。そんな私を選んだ、隣を歩く誰かを。
安っぽくてくだらねえ愛の言葉だ、無責任な上辺だけの優しさだ、鼻で笑ってツバを吐いてやりたくなる本音だなんだかんだ……
馬鹿らしい。そんな甘ったるい世界なんて現実のどこにもねえっていい加減気付けよ。
誰も彼もが仲良しこよしで、そんな奴らの輪の真ん中にいるヤツが手放しで持ち上げられて幸せを祈られるなんて幻想――
想像しただけで火の通ってないシャケ弁食った時みたいな吐き気がする。
何かを許す、誰かを信じる、世界に認められる、幸せの中で笑う――私の大嫌いなもの。
シャケ弁の端っこについてる、漬け物コーナーにはみ出したミカンの切れっ端みたいな価値観。
この原子崩し(メルトダウナー)って力は私そのものだ。
破壊する、否定する、拒絶する、排除する。壊す事と殺す事にしか使えない。
だから私は誰も助けない。救わない。守らない。
ただ一つ、ここまでを捨てたつもりの私の中の残された上条当麻(モノ)を除いては。
麦野「――私さ、やっぱり男の趣味悪いみたい」
上条「上条さんは女を見る目があったと思ってるぞ」
麦野「節穴ね。目見えてないんじゃない?」
上条「恋は盲目、って昔のエラい人が言ってたぞ」ニヤニヤ
麦野「〜〜〜〜〜〜」バシンバシン!
上条「痛いっての!」
――私は偽善の言葉(フォックスワード)なんて信じない。
誰かがこの馬鹿に吹き込んだ台詞から引っ張ってくんなら『女は言葉じゃ納得しない』ってとこかね。
でも……三度殺そうとして、三度も私を止めるような行動を取ったこいつを否定するだけの言葉を、私はもう持ってない。持てない。
信じるというのとも少し違う。疑いたくても疑えないんだ。
何度投げ出したくなっても、こいつだけが変わらない。
上条「ほら、そろそろ駅着くぞ」
麦野「――うん……」
上条「……寂しいのか?」
麦野「別に?」
――『永遠』だなんてチープなキャッチコピーがつけられたダイヤみたいに輝くこいつが
麦野「――だって、明日また会えるじゃない?」
――こいつと同じくらい悪くなった私の目にも、星よりも輝いて見えるから
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