過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/08/18(木) 21:21:45.89 ID:GCmG3rJAO
〜3〜
麦野「………………」
降りしきる雨の中、ジュッと最後の水蒸気を残して……麦野の原子崩しの光球が掻き消えた。
呆気に取られたような茫然としているような……曰わく、形容し難い表情と双眸にかかる濡れた前髪。
麦野はただ立ち尽くしていた。驟雨に濡れ冷え切った身体を……
美鈴「もう……やめてちょうだい」
抱き寄せて来る、美鈴の両腕があたためて来る。
人を殺し物を壊す事しか出来ない麦野の手からもう何一つとして奪わせまいとするようにキツく、固く、そして強く。
麦野「………………」
麦野の中から、狂気を具現化させたような獣の唸りが遠ざかって行く。
御坂美鈴がした選択は決して間違いではなかった。
それは未だ娘・美琴では御せない麦野の心の在り方に対しての、かつて上条が行った事とよく似ていた。
麦野「……やめろよ!」
麦野を止めるには言葉であれ武力であれ、真っ正面から麦野の狂気や暴力をねじ伏せた上で『戦い』そのものを取り上げなくてはいけないのだ。
病的なまでの異常に高いプライドの上に立ってやっと対等なのだ。
それは麦野は相手が死ぬか自分が殺されるまで戦う事を止めない狂気の女王だからだ。
麦野「やめろよ!はなせよ!!ここまでやって、ここまできて、ここでおりるだなんてできるわけねえだろうが!!」
人の血と肉を食む怪物は鎖や檻では囲えない。倒す事などもってのほかだ。
優しさや許しや慈しみでは決して消えない。罪とは、罰とは、業とは、そんなに軽くも甘くも温くもない。
ならばどうするか――答えは、狩る獲物のいない世界に導いてやるのだ。
美鈴「いいえ……終わりよ、沈利ちゃん」
牙を奮い、爪を立てる相手を取り上げれば――怪物は何も出来ない。
戦いそのものが生まれない場所に、怪物はその存在意義を失う。
怪物を倒すために怪物になったところで、また別の怪物がまた生まれるだけだ。何も変わらない。
少なくとも美鈴の判断は正解とは言えなくとも解決策の一つではあった。
美鈴「――終わりにするの」
美鈴が麦野を抱き寄せる。それは麦野が持ち得るメスライオンの母性とはまた異なる――
美鈴「終わらせなくちゃいけないの」
――人の親と言う、麦野の知らない母性の在り方だった。だが
美鈴「貴女は――
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