過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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533:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/18(木) 21:25:39.71 ID:GCmG3rJAO
〜2〜

麦野「――ッッ!!」

崩落した大講堂、麦野が焼き切った扉の彼方から姿を現す……
妙に青白い顔の、安物のチェーンを手首に巻いた切れ込みズボンのスキルアウトが

ドンッ!!


手製の焼夷ロケット砲を麦野目掛けて放って来る。
土砂降りの黒風白雨の中、その瞋恚の炎が散らす赫亦を散らして――

麦野「!!!」

フォンッ!と麦野はすぐさま原子崩しによる防盾を展開し抱き締めて来る美鈴と自分の前を守らんとする。
そう、狂気は消えども麦野の冷静さは些かも損なわれてなどいない。
何故ならば麦野は元暗部だからだ。敵意、悪意、殺意に対する第六感はもはやDNAに刻み込まれた『本能』だからだ。

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

麦野「( ― ― 今 の )」

美鈴「きゃっ!?」

焼夷ロケット砲が巻き起こす爆風と舞い上がり爆炎をも防ぎ切る光の楯。
水浸しの床面まで焼き尽くす大火力から美鈴を守り抜き、既視感を覚える声音の在処、敵の居所へと麦野が視線を向ける。

麦野「( ― ― 今 の 声 ― ― )」

麦野の中の記憶の鍵が、扉が、蓋が、箍が開いて行く。
トラウマの水底に沈む岩のように、ジレンマの森に朽ちた虚のように、白紙に落とした墨汁が広がるように――

麦野「(  ど  こ  か  で  )」

ザッ

――そう、麦野は何一つ間違っていなかった。
思わぬ敵の強襲に対し、美鈴に毛ほどの傷もつかせず原子崩しを発動させた。が

浜面「オ」

美鈴「……!?」

――防盾を展開したと言う事は、光芒を放てないと言う事。
それは呼吸より早く、鼓動より速く、瞬きより疾く――
縫う間隙すらない針の穴に、運命と言う糸を通すような――

浜面「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉー!!」

ガウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

スキルアウトからの砲撃から美鈴を守った麦野の背面――

麦野「――――――………………

怪物を討ち滅ぼす銀の弾丸(シルバーブレッド)……浜面仕上の演算銃器の魔弾が

スキルアウトG「……ギャハッ」

麦野沈利の背中から腹部にかけて――突き刺さった。




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