過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/08/21(日) 20:53:22.26 ID:Y4ZbBsuAO
〜−12〜
浜面「俺達の仕事はその写真の女を殺す事だろうが!履き違えてんじゃねえぞ!!」
スキルアウトG「――――――」
浜面「テメエの都合は後に回せッッ!!」
その一喝が、麦野の首をヘシ折ろうとしていたスキルアウトの隆々と張り詰めた腕の筋肉を弛緩させた。
同時に、もう泣き叫ぶ事も出来なくなった美鈴が膝からガクンと崩れ落ちる。
浜面「――その女はもう死んでるのと変わらねえ。ほっといてもくたばる」
状況は、もう誰の目にも明らかなほど限界に達していた。
浜面「――トドメ刺すのはやる事やってからにしろってんだ!冷やす頭ん中までヤキ回ってるってならテメエから風通し良くするぞ!!」
スキルアウトG「浜面テメエ!!」
猛るスキルアウトに先んじて浜面の演算銃器がスキルアウトの身体に向けられる。
銃口の狙いはもっとも狙い易く打ち損じが少ない胴体部。
だがしかし――浜面のこの行動は突如として正義感に芽生えたためなどと言った類のものでは決してない。
浜面「――今のリーダーは俺だ」
浜面は既に人一人を撃った。見知らぬ相手の顔を見、憎くもないのに目を合わせた上で弾いた。
一線を越えてしまったのだ。その踏み出した一歩の持つ重みは、どんなに小さくともなにより強い。
浜面「文句があるのか……!?」
威嚇を越えた殺るか殺られるかの戦いは、時と場合によっては暴走した味方へとその銃口が向けられる。
二重の意味で弾丸は前から飛んで来るとは限らないのだから。
スキルアウトG「……チッ」
憎々しそうに鳴らした舌打ちと共にようやくスキルアウトは麦野から離れた。
そう、もはや麦野が助からないであろう事は誰の目にも明らかだった。
遅かれ早かれという違いと、浜面の威圧が冷静さを取り戻させた。そして
浜面「あんた……」
麦野「………………」
浜面「一つだけ教えてくれ」
浜面は粗で野であるが卑ではない。女だから殺さないなどと言う甘さはないが、嬲り殺しを楽しむ趣味嗜好もない。
浜面はスキルアウトに向けていた銃口を油断なく麦野に向けながら――口を開いた。
浜面「あんたは……舶来を助けてくれたのか?」
麦野「………………」
浜面「ちっちゃい外人の女の子だ。昨日の第七学区の交差点……そこであんたは舶来を助けたんじゃないのか!!?」
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