過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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585:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/23(火) 21:05:43.56 ID:oaSu1JVAO
〜11〜

浜面「(――俺に、こいつを倒せるのか!!?)」

ドウッドドウッ!と十一枚の翼から放たれた横一線による光芒を浜面は発条包帯の恩恵を受けた跳躍力により飛び上がってかわし――
崩落した天蓋の剥き出しの鉄骨に左手で掴まってぶら下がり、右手の演算銃器でガウン!と撃ち返す!
狙いは美鈴でも麦野でも良かった。美鈴を殺さねば浜面に未来はない。麦野を倒さねば浜面に明日はないのだ。
しかし麦野は光の翼を鞭のように振るって弾丸を叩き落とし、返す刀で猿のようにぶら下がる浜面を串刺しにしようと切り返してくる。

浜面「(この怪物に!この化物に!!)」

浜面が手を離し重力に従って落下し始めた瞬間、毛先を焦がす光の翼が通り抜け頭上でオレンジ色の爆発が起きる。
そして着地点目掛けて十一本もの原子崩しが突き刺さるも、完全に地に足をつける前の浜面はその着弾と爆風に吹き飛ばされた。

浜面「ぐはっ!!?」

爆破の衝撃と爆音に転がされ、浜面の右耳から血が溢れ出す。
鼓膜をやられたかと思ったが、耳鳴りを感じ取るとそのまま後転しながら浜面は溶解した鉄扉まで押し流された。
そこへさらに――強風と豪雨と暗闇の中光を放つ毒牙が浜面に迫る!!

轟ッッッッッッ!!

浜面「――――!!!」

見てくれも何もなく大の字になった鼻先を死の光芒が通り抜け壁面に風穴を空ける。
散らばった破片が背中に食い込み擦過傷は数限りないが――
浜面は生きている。当たり前である。掠っただけで死に至るのだから。が

パキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!

麦野「……ッッ!!」

浜面「(やっぱりだ……あいつももうとっくに限界を振り切ってる!!)」

十一枚目の翼が砕け散り残り十枚となる光の翼。浜面は察する。
光芒・防盾・噴射・次元切断と数限りなくあるあの原子崩し(メルトダウナー)と言う能力。
恐らくあの翼は切り札だ。それも本来は見せたくない奥の手。

浜面「(やるしかねえ)」

麦野が四肢動かせぬほどの致命傷を負っているという天の利。
そしてこの暴風雨という地の利。駒場の遺品を用いた人の利。
そして浜面自身も機転や間隙を縫う素養を覚醒させつつあった。
浜面が麦野らを殺さねば明日がないように、麦野は浜面を倒さねばこの場を離れる事が出来ない。
どちらもただ背を向け逃げようとした瞬間背中から撃たれるだろう。戦況はまさに互角であった。




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