過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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588:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/23(火) 21:10:08.37 ID:oaSu1JVAO
〜8〜

美鈴「死んじゃう!死んじゃうよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」

麦野が咄嗟に美鈴を身体で庇うように落下したおかげで閃光に目を潰される事も爆炎に肺を焼かれる事も……
鼓膜を破られる事も免れたが美鈴は完全なパニック状態に陥ってしまった。これは美鈴の精神が脆弱なのではない。
美鈴はあくまで一般人であり、被害者なのだ。彼女の状態を責める事は誰にも出来ない。だが

麦野「(何度も撃たせたらやられる……だったら仕掛けて来る前に撃ち落とす!)」

そこで麦野は八枚にまで目減りした光の翼を広げ――

浜面「やっ……」

麦野「撃たせねよねえんだよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

轟ッッッッッッ!!

上下左右からしなる鞭のように原子崩しで構成された光翼が、触手が如く軌道を描いて浜面へ殺到する。
浜面を中心としてミキサーにかけるような死の刃が繰り出され、原子にいたるまで切り刻むために――

浜面「べェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」

発条包帯、発動。麦野が翼を広げた瞬間棒火矢を抱えながら浜面は横っ飛びになり、次の瞬間浜面のいた場所が翼により『消滅』する。さらに

ブオンッ!

麦野「(チョロチョロと!!)」

駆動鎧並みの身体能力を与え、人体の機動力を十倍にも高める発条包帯。
その速力たるや麦野が正面に向かって攻撃から壁面を沿って走る所謂『壁走り』に近い離れ業すら可能とする。
人間のものとは思えない唸りを上げ、ダンプカーが横切ったような鈍い烈風を巻き起こして浜面は走る。

麦野「ウザってえんだよドブネズミがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

パキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!

残り七枚となった翼の連撃が浜面を狙う。瞬く間にドガドガドガと次々壁面に大穴が空くも――
それは常に半歩先行く浜面の後追いにしかならず、捉え切る事が出来ない。

麦野「……!!」

美鈴「怖い……!!」

不自由な四肢、足手まといな荷物、出血多量による反応速度と演算能力の低下。
その上この暴風雨が降り注ぐ雨粒が、能力発動に現出させる光球に触れて蒸発し、それが攻撃の予兆となって敵の回避に有利にさせてしまう。
今の麦野は先程浜面を圧倒した時の三分の一……いや十分の一程度の戦闘力しかない。


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