過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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628:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/25(木) 21:14:41.58 ID:ftCL6srAO
〜9〜

上条「……あれは!?」

上条は二人から目を切る形でその破壊音へと振り返り目を見開いた。
蒼白の妖光。それは見慣れた麦野沈利の原子崩し(メルトダウナー)の輝きだった。
上条は思わず息を飲む。何故麦野があんな所で戦っている?
そう疑問に思う間にも破壊音と閃光が絶え間なく断崖大学から響き渡る。加えて――

上条「ヤバい……!」

御坂「ちょ、ちょっと!!?」

上条「ビリビリ!この鰻重頼んだ!!」

――崩落したらしいドームから一瞬姿を覗かせ、消失した『光の翼』が……
風斬氷華がヒューズ・カザキリへと変貌する際のように夜空に伸びているのが見えたのだ。
それを確認するなり上条は麦野へ携帯電話さえ鳴らす事なく、買ったばかりの鰻重弁当を御坂に押し付け駆け出そうとした。が

御坂「待って!!」

上条「ビリビリ!俺は今――」

御坂「私も行く!!」

上条「!!?」

御坂「あの女があそこで戦ってるんでしょ!?私も行くわ!!」

上条「来るな!!!」

御坂「えっ……」

上条「――お前は来るな。来ちゃダメだ」

垣根「………………」

それを制止し、加勢しようとする御坂を上条の一喝が押し止めていた。
その剣幕に御坂がたじろぎ、垣根は雨に打たれながらその成り行きを静かに見守っていた。
昨夜、このコンビニで共に過ごしたフレメアと駒場の姿に二人を重ねるように。

御坂「どうしてよ!あんたがいくらあの女の……あの女の彼氏でも!!あんた一人で止められる訳ないじゃない!!!」

上条「――出来る出来ないの問題じゃねえ。御坂、お前だけは今のあいつに会わせられねえ」

御坂「なんで!!」

上条「――お前が!あいつの友達だからだ!!」

御坂「……ッッ!!」

上条「……あいつは今、お前にだけは見られたくねえ姿で戦ってる。それを止められんのは――」

垣根「………………」

上条「――俺だけだ」

そのきっぱりした物言いとはっきりした後ろ姿に、上条が自分が拾い上げた時とは異なるステージに立っているのを感じた。

御坂「でも!!」

垣根「――ウニ頭」

上条「……艦長さん」

故に――エース(御坂)をどかせてキング(帝督)はジョーカー(上条)へと歩み出る。
昨夜インデックスが揃えたポーカーの手役、K・Q・J・A・ジョーカーのように。
この場に不在のクイーン(麦野)と、未だ姿を現さないジャックを除いて――




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