過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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655:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/28(日) 21:05:33.89 ID:ZZxx+9zAO
〜3〜

上条「……立てよ」

身体がくの字に折れたまま鳩尾を押さえ膝をついた浜面の襟首を左手で締め上げ――
上条は冷静ささえ感じさせる声音で、水鏡を思わせる抑揚で浜面に告げ――

上条「――立てェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」

掴んだ襟首を引き寄せ、踏み込んだ足で、捻る腰で、振り上げた拳で、フルスイングでの一撃。
今度は錐揉みしながら吹き飛ばされた浜面が地べたに転がされる。
この豪雨によりスープを吸い尽くしたリゾットよりもドロドロに溶けた地面に顔面から突っ込んで。

浜面「ぐっ……」

上条「……何でだ?」

その中を多少ふらついた足取りで、傾いで揺れる身体で上条がザックザックと歩み寄る。
浜面の呻く呼吸、悶え苦しむ表情、地面を掻く手指。
大地に爪を立てるようにうつぶせで泥を掴む浜面を見下ろしながら上条は叫ぶ。

上条「何で麦野を、美鈴さんを狙う!?何でだ!?美鈴さんは学園都市の人間じゃねえのに何でここまで追い込みかけられなくちゃならねえんだ!!?」

浜面「――依頼だよ!!」

バッ、と浜面が掴んでいた泥が上条の顔にぶつけられ、目が塞がった。
そこで浜面は――右膝を突き、左足で立ち、振り向き様のバックハンドブローで振るった警棒を――
素人がやる縦振りでも達人がやる突きでもなく玄人がやる横薙ぎに上条の顔面を打ち据えた。

上条「……ッッ!!」

浜面「駒場の野郎は死んだ!代わりに俺がアイツらまとめなきゃならねえんだ!!金がいるんだ!!!“奴ら”に取り入るしか俺に道はねえ!!」

蹈鞴を踏んだ上条の腹部に靴底から叩き込むような前蹴りが放たれ、身体がコの字に曲がるほどの衝撃が襲う。
しかし浜面は手を緩めない。攻撃を休めない。目を切らない。

浜面「さっきの女も“奴ら”と関係ねえなら、テメエも関係ないよな?なら交わした取引きはまだ有効だ!ターゲットを死体にして持って帰ればまだ……!!」

だが……豪雨が土を泥に変えるように、雨は泥を洗い流す。その言葉に――

上条「もう一度……言ってみろテメエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」

カッ、と闇夜を切り裂く稲光と共に目を見開いた上条の眼差しが

浜面「――――!?」

ドゴン!!と浜面の顎目掛けて下からかち上げるような音と共にその石頭で打ち抜いた。




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