過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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736:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/03(土) 21:18:57.18 ID:G+RwveOAO
〜7〜

そして――滝壺理后は連れ込まれた雨の路地裏で信じられないものを目撃する。

スキルアウト1「ああ?なんだテメエは」

その少年は降りしきる雨の中、鉄パイプ片手に佇んでいた。

スキルアウト2「こいつ、見た顔だ。駒場ん所の」

痣と、傷と、そして泣き腫らしたようなひどい顔のまま

スキルアウト3「駒場?あいつ今日死んだって聞いたぜ」

金に近い茶に染めた痛んだ髪、ピアスのちぎれた団子鼻

スキルアウト4「おいおいヒーロー。なんだなんだあ?テメエも混ぜて欲しいのかあ?」

泥と血と雨にまみれたその姿は決して見栄え良いものではない。だがしかし

スキルアウト5「ちょうどいいわ。駒場のやつが鬱陶しくてここんとこおまんま食い上げだったとこだ。殺っちまおうぜ」

滝壺は本能的に理解した。この少年はヒーローであると

スキルアウト6「そんなこんなで、テメエの顔潰して少年Aにするぐらいはムシャクシャしてんだわ」

???「ああ……俺もムシャクシャしてんだ。どうしようなく」

ガラン、と鉄パイプを引きずりながら少年は自虐的な笑い方をした。
何もかも失ったような、行き場のない怒りと悲しみが滝壺に伝わって来る。

スキルアウト1「はあ?」

???「居場所もダチも何もかもなくして、こんな泥沼に嵌り込むまで……何もわかっちゃいなかった自分の馬鹿さ加減に」

滝壺「(……居場所……)」

居場所、というその言葉が囲まれ腕を取られた滝壺の琴線に触れた。
恐らくこの少年は決して取り戻せない何かを大きく失ったのだろうと。

???「……こんな簡単な事だったんだな」

スキルアウト2「何だヒーロー!さっきから何言ってやがる!?」

???「……あのウニ頭の言う通りだ」

スッ、と少年が鉄パイプを肩に担いでスキルアウトらと睨み合う。
一触即発の空気の中、自嘲的な笑みに唇を歪めながら――

???「――その通りだ、クソったれ」

スキルアウト「「「「「「やっちまえ!!!」」」」」」

少年が飛び出し、滝壺を捉えていたスキルアウトの一団に踊りかかる。

???「俺はヒーローなんかじゃねえ……」

一陣の風のように

???「――ただの、無能力者(レベル0)だよ!!!!!!」

――吹き荒ぶ


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