過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/09/03(土) 21:21:54.74 ID:G+RwveOAO
〜9〜
スキルアウト「「「「「「お、覚えてやがれ!!」」」」」」
浜面「はあっ……ハアッ」
浜面仕上はスキルアウトらを追い払った後薄汚れた路地裏の壁面に寄りかかる。
鉄パイプ一本という乏しい武装ではあったが――
それでも6対1という圧倒的不利を覆すだけの地力が既に浜面には備わっていた。何故ならば
上条『そうやって困ってる人や虐げられてる人達に手を差し伸べられたなら、テメエらスキルアウトも!俺達無能力者(レベル0)も!!学園都市の人達から認められたんじゃねえのか!!?』
あの少年の拳はこんなものではなかった。浜面も今の大立ち回りで多少は疲れたが――
痛いのは身体だけだ。あの少年のように心まで殴りつけて来るような痛みなどスキルアウトらの拳に宿っていなかった。
麦野『ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね』
あの女の攻撃は掠っただけで死ぬ能力であり、浜面はそれを全て紙一重でかわして来た。
当たって痛いだけの拳ならば一発も当たる気がしない。
最強のレベル5(超能力者)を討ち果たしし、最弱のレベル0(無能力者)に打ち倒され――
目覚めの時を迎えた浜面の相手ではなかった。
???「だいじょうぶ……?」
浜面「……平気だ。このケガ、あいつらのじゃねえし」
???「痛い……?」
浜面「――痛えよ」
カラン、と浜面の手から鉄パイプが取り落とされ水溜まりに沈む。
呆気なかった。拍子抜けするほどあっさりと浜面は少女を助け出せた。
自分の手で何一つ変える事も選ぶ事も貫く事も出来ないと腐っていた浜面の手は……
今、例えようのない何かが確かな重みと形を持って浜面の手に宿っていた。
浜面「――ここが、痛え……」
???「………………」
浜面「穴が空いたみてえに空っぽなのに……痛くて痛くてたまんねえんだよ!!!」
押さえた胸、こちらを覗き込んで来る少女にも構わず地面を殴りつける。
紫暗に腫れ上がった拳に新たに生まれる傷と食い込む砂利、そして流れる血と溢れる涙。
浜面「なんで!どうして!!」
浜面は何故あの少年を下せなかったのか今はっきりと理解した。
勝てるはずがない。こんな力を乗せた拳の持ち主に、勝てるはずがなかったのだと。
そして―――
浜面「なんで俺はこんなちっぽけなんだよ!!」
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