過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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772:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/05(月) 21:17:54.54 ID:r59ePYOAO
〜フレンダ=セイヴェルン〜

フレメア『お月様綺麗だね。フレンダお姉ちゃん』

フレンダ「まあそうね……ってフレメア、結局もう三時間は話してる訳よ。いい加減通話料ヤバ……」

フレメア『えー……大体、いつも電話もメールも出てくれないフレンダお姉ちゃんがいけないんだよ?たまにはお話したい!』

フレンダ「(結局、そのたまにが長い訳よ)はいはい……じゃあフレメアが眠くなるまでは付き合ってあげるから」

遠く離れたセイヴェルン姉妹は携帯電話片手に同じ月を見上げていた。
フレメアはベッドに寝そべりつつ、フレンダは窓枠に腰掛けつつ。
通話時間は既に三時間を越えても尚話が尽きず、特にフレメアの声は時を追うごとに饒舌になって行く。まるで

フレンダ「(結局、大事にするつもりが寂しい思いをさせてるのは私って訳よ)」

フレメア『フレンダお姉ちゃん!私のお話ちゃんと聞いてくれてる?』

フレンダ「はいはい聞いてる聞いてる。オズマランドの話でしょ?」

フレメア『うん、大体いつでも良いからフレンダお姉ちゃんと行きたいなあ、って』

フレンダ「……出来れば他の遊園地にしない??お姉ちゃんあそこはちょっと苦手な訳よ」

フレメア『いーやー!たまには私のわがまま聞いてよー!!』

フレンダ「(ああ、結局こういう強情な所は私譲りな訳よ)」

寂しさを紛らわせるような原因を作っているのは自分のせいだとフレンダは電話越しだからこそ渋面を作る。
オズマランド。フレンダがペットボトルに気体爆弾イグニスを詰めてテロを起こそうとした遊園地。
アイテム加入前に加わっていた計画での苦い思い出が胸によみがえり、正直あまり良い気分ではない。が

フレンダ「はいはいわかったわかった……結局、いつがいい訳よ?」

フレメア『いいの!?』

フレンダ「(結局、言い出したら聞かない訳よ)」

遊園地一つ行くのにさえ躊躇う、姉妹で異なる世界とその立ち位置。
しかし結局妹に甘いフレンダはフレメアとオズマランドに行く約束を交わし、キャッキャと喜ぶフレメアの声を聞きながら思った。

フレンダ「(……絹旗はどうだったのかな)」

自分はどれだけ闇に身を窶しても『家族』がいる。血を分けた姉妹がいる。

しかし彼女は……置き去りの子(きぬはたさいあい)はどうだったのかと――


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