過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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80:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/14(木) 21:24:27.34 ID:1DwrXIIAO
〜15〜

麦野「(最悪だクソッ!よりにもよって舌入れやがってクソックソックソッ!)」

上条「麦野……ま、まあ野良犬に噛まれたと思って」

麦野「テメエあの青頭に同じ事されてもそう言える?ああ?」

上条「すいません……」

麦野「ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょう」

その後……スキー場の上級者コース並みで機嫌を急斜角にした麦野は討ち死にした返事をしない屍のような面々の中……
上条の膝にその栗色の髪を広げて頭を乗せる枕代わりにしていた。
御坂はインデックスのお腹に頭を乗せて泣き疲れて眠っている。
恐らく目覚めた時には何も覚えていないだろうし覚えていてもらっては困るのだ。

麦野「胸は揉まれる、ブラは外される、女にキスされるわで私の今日の運勢最悪だわ。セクシー系担当ったって苦労させられ過ぎでしょうが」

上条「……お疲れ様」ナデナデ

麦野「五月蝿え」カミカミ

頬にかかる髪に触れて来る上条の手を捕まえ指に噛み付く麦野。
アルコールの微酔いも手伝ってか、頬が熱い。それ以外の理由も無きにしも非ずだが――

麦野「あんたには指一本触れさせない。あんたは私の男(もん)で、私はあんたの女(もの)だ」ガジガジ

上条「痛てててっ……歯立てんなって!」

麦野「舌絡めてやろうか?いつもみたいに……アーンって」

ベッ、と舌を出して上条の膝でゴロゴロする麦野。
慣れない来客にそれなりに気疲れしたらしく、全員死体になっている今誰の目を憚る事もない。
ニヤニヤと、『どっちでもいいよ?どっちに転んでも私の勝ちは動かないから』とでも言いたげな笑顔で。

上条「そんな悪い口は塞いでしまうかね?」

麦野「やってごらんなさい?出来るもんなら」

伸ばす指先が、甘噛みしていた手をさするように握り締める。
男特有の少し固い指先。指だけなら自分の方が長いが、それを支える掌が上条の方が大きかった。
それを感じながら麦野は縁取られた眦を閉ざし、柳眉を和らげた。

麦野「(不思議なもんね。きっと私、例えこのまま目が見えなくなっても――触れただけで、あんただってわかる気がする)」

キスする時の、閉ざされた暗闇を麦野は好んだ。
恐らくそれは、世界で最も優しい暗黒に他ならないと思えるが故に。
目蓋の内側で描く、愛しい男の輪郭を麦野は愛していた。


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