過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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842:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/17(土) 21:06:20.64 ID:W55C2CfAO
〜6〜

フレンダ『じゃ、私達ここで』

絹旗『浜面。滝壺さんに変な事したら超お仕置きですからね?』

浜面『入って一週間もしねえ内にそんな事するかよ』

フレンダ『ふーん?じゃあ一週間が一ヶ月になったら違うって訳?』

絹旗『入って一週間足らずでタメ口とは超なってませんね新入りのくせに』

浜面『(お前らこそ会って一週間経ってねえのに何でこんな砕けてんだよ)』

そして一行はファミレスにて流れ解散の後、各々の行く先へと歩を進めた。
絹旗は毎度の事ながらC級映画鑑賞へと、フレンダは何やら待ち合わせがあるらしく先を急いでいるようだった。そこに取り残されるは――

滝壺『………………』ボー

浜面『(……二人っきりか)』

浜面はポリポリと頭を掻いてやや手持ち無沙汰にしていた。
何とはなしに上手く話題が見つからない。一晩中話せたにも関わらず――
まるで朝露のように消え失せた少女との再会はこの上なく浜面の心を掻き乱した。
陳腐な表現だとわかっていながら『運命』という言葉が過ぎるほどに。

浜面『あっ、あのさ……』

滝壺『?』

浜面『この間はその……すまなかった』

滝壺『どうして謝るの?はまづら』

浜面『い、いや……』

未だに高く登る秋空より吹き付ける風が滝壺の切りそろえられた黒髪を揺らし、二人の視線がぶつかる。
それに浜面は言いようのない感情を持て余した。

浜面『いきなり泣き崩れたり、一晩中話し相手になってもらったり、ジャージ貸してもらったり、あとなんか雰囲気悪くしたりして悪かった』

滝壺『そんな事ないよ、はまづら』

抜き身の暴力(つよさ)、剥き出しの心根(よわさ)、浜面仕上という人間の地金の全てを晒したあの雨の夜。
滝壺理后という己の全てを知る少女と期せずして再会してしまった事への気恥ずかしさ。
それが男としてのささやかなプライドが今更のように鎌首をもたげさせ所在なくさせるのだ。が

滝壺『私もずっとはまづらの事が気になってたから』

浜面『えっ……』

滝壺『はまづら、車の中で話していい?少し寒い』

浜面『お、おおわかった。今出すよ』

ここで浜面はようやくここが駐車場である事を思い出し、慌てて車のキーを取り出す。すると

浜面『……でけえ』

二台分の駐車場スペースを占拠するキャンピングカーが見て取れた。




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