過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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869:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/17(土) 21:44:26.42 ID:W55C2CfAO
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絹旗「そうですか……」

浜面『ああ、連絡が遅れてすまなかった。正直気が動転して――』

絹旗「浜面。嘘をつくなら声の震えくらい隠したらどうです?電話越しじゃなきゃお仕置きしなくちゃいけないくらいの超お粗末さですよ」

浜面『……お見通し、って訳か』

絹旗「私はこれでもリーダーです。下っ端が何考えてるかくらいわかります」

同時刻、絹旗最愛は映画館より出た矢先に鳴り出した携帯電話より浜面から受けた報告に対しクールに切り返した。
辺りは翌日10月9日の独立記念日前夜とあって常より人混みがその密度を高め――
幸いにして二人の通話は誰の耳に止まる事もなかった。

絹旗「(おおよそ滝壺さんを連れて逃げ出す算段と私達を敵に回す腹を括ったってとこですか。なんか滝壺さんの電話も繋がらないし)」

絹旗は洞察を深め考察を広げる。恐らく浜面は崩壊寸前の滝壺でさえ『アイテム』は容赦なく能力を使わせると判断したのだろう。
しかし同時に、絹旗ならばそれをしないかも知れないという一縷の望みを捨てきれずにいたのか――
或いはどちらに転んでも打てるだけの手を用意した上でのこのコールだろうと。

絹旗「まあ合格点には程遠いですが及第点は上げましょう。滝壺さんは浜面に任せますよ」

浜面『……信じて、いいのか?』

絹旗「これはただの悪口です。貴方や滝壺さんみたいな超使えない人間を我々“アイテム”の中に留めていても足手まといになるだけと言ってるんですからね」

回る風車、煌めく街、妖しいネオン、輝くテールランプを見送りながら滝壺はガードレールに腰掛け素気なく伝える。
こういう時リーダーで良かったと初めて思えたかも知れない。
少なくとも効率的に殺さなくてはならない味方を選べるという一点のみにおいて。

浜面『――ありがとう』

絹旗「……その代わり、浜面には二人分働いてもらいますからね。少なくとも滝壺さんを養える程度には超コキ使ってやります!」

そこで絹旗は『電話の女』に新たな補充要員を申し立てようと考えを巡らせる。
流石に自分とフレンダだけでは組織は立ち行かない。最低でもあと一人欲しいと――

絹旗「(……とりあえず、ハケンって事で)」

――この日、浜面仕上は正式なアイテムの構成員となった。




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