過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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870:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/17(土) 21:44:55.05 ID:W55C2CfAO
〜30〜

浜面「……首の皮一枚繋がったって、そう考えりゃいいのか?」

浜面仕上は眠りに就いた滝壺の病室から程近い喫煙所にてマイルドセブン・セレクトを吹かしていた。
ガラス張りの室内にあって皓々と灯る照明を見上げながら文字通り一息つく形で。

浜面「(――ハケン、見習い、アルバイト……呼び方なんてどうだってもいいさ。これでまた一歩、闇ん中に堕ちちまった)」

絹旗から持ち掛けられた滝壺に関する安全保障と引き換えに浜面は正式なアイテムへの加入を果たした。
言わば補充要員が来るまでの身代わりのようなものだったが――
浜面はそれでも良いと思っていた。滝壺へこれ以上負荷がかからなければと。

浜面「……星、見てえな」

星。それは暗い場所でのみ輝くもの。手を伸ばしても届かないもの。
しかし浜面は闇に堕ちて尚、数日前までの後悔など跡形もなく消し飛んでいた。
どんな先行きの見えぬ夜の道にあっても、もう迷う事なく星の標を目指す事を決めたのだ。

滝壺『でも、初めてはまづらと会った夜……レベル0なのに私を守ってくれた強いはまづらと、私の胸で泣いてた弱いはまづら……“人間のはまづら”を見た時――この男の子を、守ってあげたいって思ったの』

弱さの全てをさらけ出し、強さというものを見つめ直した。
この学園都市の底知れぬ闇にあって人の命などこの煙草の煙のように軽く……
己の生など穂先に溜まった灰のように呆気ないものだと受け入れた上で。

浜面「(俺はあいつを死なせたくない。あいつの居場所を守りてえんだ。グダグダと迷ってばっかだったけど、やっとそれがやりたい事だって分かったんだ)」

道に迷い、己を見失い、仲間と別れ、辿り着いた先は更に深い闇。
滝壺を居場所を無くした自分のようにしたくないという思いと、滝壺を駒場のように死なせたくないという想い。
意を決したように燃え尽きかけた煙草を灰皿にねじ込み、目を閉じる。

浜面「クソッタレなウニ頭野郎」

滝壺『レベル0のかみじょうが、レベル5のむぎのの命を助けたから』

浜面「確かテメエもそうだったな」

浜面の瞼の裏を過ぎる少年と、滝壺の胸裡を掠める少年が同一人物である事を――二人はまだ知らない。

浜面「――今なら」

そしてこの夜――

浜面「テメエの気持ちがよくわかる」

浜面仕上の少年時代が終わりを迎える――




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