過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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895:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/25(日) 15:08:30.49 ID:LC5MmfkAO
〜6〜

垣根『テメエらはいつもそうだ』

着崩したヴァレンティノのスーツに焦げはおろか煤一つなく

垣根『ああすりゃ勝てる。こうすりゃ負けない。強けりゃ粋がる。弱けりゃ群がる』

チャラチャラと鳴るガボールのチェーンが不吉な響きを奏でて耳朶を軋らせ

垣根『生きるのは自分。死ぬのは他人。こんなオモチャで俺を倒せるとでも?馬鹿が。頭使う以前に現実を見る目ってのがまるでなっちゃいねえ』

浜面『嘘……だろ』

浜面のその呟きはフレンダ・絹旗両名の心の声でもあった。
絞り出したその声さえも、ともすれば恐怖を通り越した感情に塗り潰されそうになる。
それは人に生を受けた以上『死』と並んで避け得ぬもの。

垣根『数の暴力、力押し、知略機略戦略……』

人はそれを『絶望』と呼ぶ――

垣根『俺の“未元物質”に、その常識は通用しねえ』

轟!!という風の唸りと共に『死の翼』が広がる。
その翼に崩落し剥き出しとなった青天井から降り注ぐ太陽光が当たり……
それを垣根の翼が回折し、未元物質により物理法則を歪められた殺人光線へと性質を変えて放たれる。

浜面『がああああああああああああああああああああ!!?』

絹旗『浜づ……きゃああああああああああああああああああああ!!?』

フレンダ『(ヤバい!!)』

駆動鎧を溶かし窒素装甲越しにも肌を焼く光線に対しフレンダがリモコンを押す。
施設内及びこの戦場に設置した陶器爆弾と人形爆弾で根刮ぎ吹き飛ばすように。

ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

垣根『泣かせる努力だ』



フレンダ『!?』

垣根『報われない努力ってのは見てて涙が出そうになるぜ』

轟!!とスーパーセルを思わせる颱風がた酸素まで焼き尽くす勢いの爆炎を……
それに勝る勢いで渦巻いて衝撃を引き剥がし、逆巻いて炎を引き離し、嵐は一瞬にして凪へとその様相を変え――

垣根『ましてやそれが虫螻の足掻きなら尚更な』

ザシュッ!

フレンダ『――かっ……はっ』

浜面『フレンダァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』

垣根の翼がフレンダの腹部を刺し貫き、そのまま無造作に瓦礫の山に放り出した。
垣根は殺意はおろか敵意すら、もしかすると悪意すら三人に向けて来ない。

垣根『一人』

象は蟻に注意など払わない――!!




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