過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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90:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/14(木) 21:36:56.11 ID:1DwrXIIAO
〜24〜

美鈴「改めましてっ。御坂美琴の母っ、御坂美鈴ですっ。趣味は数論の勉強ですっ」キリッ

麦野「(趣味=酒だろ。もう御坂美鈴の後に“酒”ってつけなよ)」

長い格闘の末、御坂美鈴はようやく酔いが醒め、正気を取り戻し、我に返り、何事もなかったかのように自己紹介を始めた。
それを麦野は電話で呼び出したタクシー待ちの間、近くにあったコンビニで買ったミネラルウォーターを口にしつつ受け流していた。
さんざん揉みくちゃにされた胸が切なくて仕方無く、今度からこの母娘と関わり合いになるのは止めようと固く心に誓って。

麦野「(詩菜さんと全然違うタイプね……ああ早く帰りてえ)」

美鈴(酒)「あ、あははは……美琴ちゃんも不可抗力とは言えお酒飲んでひっくり返っちゃうだなんて……血は争えないわねえ」

麦野「(当麻まだ起きてるかしら……ケータイケータイ……)」

一応、年長者として御坂に飲ませてしまった事に関して詫びる所は詫びた。
が、友達でも何でもない知り合いの親と話が弾むほど人間が出来ているでもない麦野は――
最近買い換えたVertuの携帯電話を弄る事に意識を向けていた。
待ち受け画面は夏の終わりにエントリーしたプリチューコンテストで優勝した時の上条とのツーショットだった。と――

美鈴「あら?」

麦野「はい?」

美鈴「貴女、上条くんの……?」

麦野「……そうですけど?上条を知ってるんですか?」

美鈴「(あちゃー)」

そこでつい悪意なく目が行ってしまった高級ブランドの携帯電話の待ち受け画面を目にして御坂美鈴は顔を手で覆った。
大覇星祭の折、美鈴が目にした美琴の一方ならぬ思いを寄せる少年と眼前の女性との関係。
同時に酔っ払いというこの世で一番厄介な人種を家に連れて帰ろうとするほどの仲でありながら『友達』ではないというその言葉。
御坂と麦野の年齢を足してようやく達する年嵩を経て来た『大人』はすぐさま全ての内情を把握した。

美鈴「(美琴ちゃん……最初に覚えたお酒の味が自棄酒はよくないわ)」

麦野「あの……?」

美鈴「あ、ああ何でもない、何でもないわ」

恐らく娘は叶わぬ恋に身を焼いているか、あるいは適わぬ相手に挑んでいるか、そのどちらかであると。
自棄酒云々は美鈴の的外れな想像であったが、それ以外は全て的中していたのだ。残酷な事に




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