過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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900:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/25(日) 15:14:43.70 ID:LC5MmfkAO
〜10〜

垣根「そうか」

轟!!と垣根の『死の翼』が天へ枝葉を伸ばす木々のようにざわめき……
打撃に特化した翼が斬撃へ突出した刃へとその様相を変えて行く。
王の威光に身を焼かれながらも掲げた旗に取りすがる民へ振り下ろされる裁きの剣のように。

浜面「(……悪い駒場、思ったより早くテメエのマズいツラ拝みそうだ)」

駆動鎧の中で肉も骨も血も持って行かれそうになって尚立ち上がるは浜面仕上。
その脳裏に過ぎるは滝壺理后。彼女をこの戦場に連れて来ずに良かったという満足感と……
居場所を守るという約束と、生きて帰るという誓いを果たせずに終わったという絶望に満ちていた。

フレンダ「……ごめんね」

はみ出しそうな内臓を押さえる手から鮮血を滴り落とすはフレンダ=セイヴェルン。
その胸裡を過ぎるは昨日遊園地に行くという妹との約束と……
いつか絹旗を遊園地に連れて行くという約束を果たせずに終わった絶望が満ちていた。

絹旗「――――――」

血染めのニットのワンピースから剥き出しの折れた右足と砕けた左腕を引きずり、それでも立ち上がるは絹旗最愛。
その目蓋の裏を過ぎるはやっと『アイテム』を取り戻したという満足感と……
『アイテムを頼んだ』という麦野との約束を果たせずに終わった絶望が満ちていた。

垣根「あばよ三銃士。テメエらのマスケットは枢機卿(オレ)に届かなかったな」

そして炎上する素粒子工学研究所に皇帝の裁きが下される。
右の翼は断罪の、左の翼は審判の、空の鳥が野の百合を啄むように双翼を広げる。
垣根の相貌に最早色も笑みもない。粛々とギロチンの刃を下すのみ

浜面「(悪い、滝壺――)」

白銀の刃が天蓋より広がる空を断ち割るように振り上げられ

フレンダ「(ごめん、フレメア)」

純白の剣が見上げた三人の六つの瞳ごと切り裂くように振り下ろされ

絹旗「(超すいません、麦野)」

逃れ得ぬ死と共に、空が三人を見下ろし――




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