過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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922:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/25(日) 15:41:03.29 ID:LC5MmfkAO
〜25〜

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

全員「――!!!」

その瞬間、垣根の引き起こした局地的な竜巻が瓦礫と砂塵とアイテムを巻き上げた。
それにより吹き飛ばされ残らず地面に叩き付けられた彼女等は見た。
土をつける事もなく堂々と立ち去り、未だ揺るがぬ威光を背負った王の背中を

麦野「……チクショォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

仰向けに転がされた麦野が吠える雄叫びすら掻き消すような暴風が過ぎ去った後――垣根は風と共に姿を消していた。
うつ伏せに倒れる浜面、横向きに伏したフレンダ、瓦礫に寄りかかったまま動けない絹旗を残して。

浜面「……野郎」

麦野「――逃げやがった」

フレンダ「たっ……助かった?」

絹旗「――ですかね」

もはや命だけを残して全滅させられたアイテムの面々は空を仰ぐより他なかった。
追跡するにも滝壺はおらず追走する手立てもなく追撃する戦力すら残されていない。
絹旗がピンセットを運び出すという判断をしておらず、メンバーが介入して来なければ間違いなく壊滅していただろう。

浜面「――マジな話クソ漏らしそうになった。つーか小便チビった」

フレンダ「……私、今にも内臓はみ出しそうな訳なんだけど」

絹旗「折れた骨が飛び出してます……もうピンセットの奪還は無理そうですし、超最悪ですよ」

麦野「……私も今ので傷開いちまったよ。またリハビリやり直しね」

全員満身創痍であった。気を抜いて意識を失えばそれがそのまま即、死に直結するほどの瀕死の重傷の中――
何故か全員苦笑いを浮かべていた。完膚なきまでに敗北を喫して尚一人も欠ける事なく生き延びた事に。

麦野「……テメエのせいだぞ団子鼻」

浜面「……人殺しかけといて何言ってんだこいつ」

フレンダ「あれ?結局、麦野とも知り合いな訳?」

絹旗「あー……超面倒くさいです。なんなんですかこのゴチャゴチャ」

絹旗らは知らない。浜面と麦野が断崖大学で死闘を繰り広げた事を。
しかしそれに対して突っ込むだけの気力すらどこを逆さに振っても出て来ない。ただ

麦野「……おい」

浜面「……なんだ」

麦野「――テメエ、名前は?」

何よりもブザマなこの敗北を

浜面「……浜面仕上」

麦野「――そうか」

――四人は、勝利より誇らしく思えた。




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