過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/09/25(日) 15:47:43.18 ID:LC5MmfkAO
〜29〜
滝壺「はまづら!むぎの!!みんな!!!」
浜面「滝壺!?ダメだろ外に出たら!!」
滝壺「ごめん……でも、わかったんだよ」
フレンダ「???」
滝壺「みんなの信号が北北東からきたの」
絹旗「滝壺さん……」
停車する救急車、下ろされるストレッチャー、緊急搬送口に集う『アイテム』の面々。
携帯電話を麦野に持って行かれ連絡手段など無きに等しいにも関わらず――
滝壺は『四人』の存在を感じ取ったのである。その事に麦野は微かな疑念を抱いた。
麦野「(まさか……能力が成長して?)」
ガラガラと絹旗とフレンダを乗せたストレッチャーが手術室に向かって走り去って行く傍ら麦野は腕を下から支えるように組む。
滝壺は既に『体晶』により死に体にも関わらず自分達の存在を探知し、顔色こそ悪いが不自由なく歩き回っているのだから。
麦野「(ひょっとして――!?)」
滝壺「むぎの」
麦野「……何かしら?パクッた携帯の件なら今度買って返すわよ」
滝壺「ううん。違うの」
入院着の上から羽織ったピンク色のジャージをはためかせ、浜面に支えられるようにして寄り添う滝壺。
切り揃えられた黒髪が秋風を受けて靡き、同じように麦野の栗色の巻き毛が翻る。
滝壺「――ありがとう」
麦野「………………」
滝壺「みんなを助けてくれて、私の代わりに居場所を守ってくれて」
浜面「……滝壺」
滝壺「――はまづらを、私の大切な人を連れて帰って来てくれてありがとう」
ビュウ、と三人の間を駆け抜ける秋風が物悲しくも優しく揺らして行く。
もし違う未来や別の世界や異なる時間があったと仮定して――
きっとこの三人が血深泥の殺し合いに興じるといった悲劇的な筋書きも有り得ただろう。
出会いの形や、些細なすれ違いや、譲れない思いの果てに。だが
麦野「――身体、大切にしなよ」
滝壺「むぎのもね」
麦野「おい、はーまづらぁ」
浜面「なんだよ」
麦野「入院中だからって滝壺を産婦人科にかからせるような真似したら私がテメエを殺すぞ!」
浜面「するか馬鹿野郎!!」
――互いを支え合う二人と同じように、麦野にもまた帰る居場所があり待っていてくれる人間がいる。
ただしその前に抜け出した病室に戻りカエル顔の医者からお説教を受けねばならない。と――
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