過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/09/25(日) 15:52:24.71 ID:LC5MmfkAO
〜31〜
麦野「――――――」
浜面「おっ、お前!!?」
滝壺「ひさしぶり」
麦野の背に声がかかり、浜面の両目が見開かれ、滝壺の双眸が柔らかく下がる。
滝壺からすれば数ヶ月ぶり、浜面からすれば六日ぶり、麦野からすれば一日ぶりに聞くその声の主。
「滝壺……それに浜面!?どうなってるんでせうかこれは!!?」
浜面「どうしたはこっちのセリフだウニ頭!どうしてテメエがここにいんだよ!?」
「どうしたもこうしたもアビニョンから帰って来てすぐここに放り込まれたんだけど……」
麦野「……あ」
「そんで病室の空気入れ替えようって窓開けたら麦野が見えてさ……インデックス、オレ点滴台引きずってんだから一人で突っ走んのはやめてくれって」
禁書目録「ついカッとなっちゃったんだよ。反省はしてないかも」
「しろって!」
尖らがった黒髪に中肉中背、角度によっては見れる顔立ちと意外に筋肉質な右腕。
カラカラと点滴台を引きずり、ペタペタとスリッパを鳴らして麦野の背中に歩み寄るその少年。
「あーあーこんなに泥だらけにしちまって……血だっていっぱいついてるじゃねえか」
少女が背負ったものは罪と罰と業と命。その細い肩と小さな背中を支える者。
少女の帰る居場所(いえ)の家主にして恋人、半身にして相棒。
インデックスを抱き締める麦野の身体に回される腕。耳元にかかる声。伝わる体温。慣れ親しんだ匂い。
「――よく、帰って来た」
麦野「……うるせえ」
「――よく、頑張った」
麦野「うるせえ」
「――よく、無事でいてくれた」
麦野「うるせえよ!!」
麦野は振り向けない。インデックスの肩口に顔を埋めたまま背中を震わせて叫ぶ。
前の少女を抱き締め後ろの少年に抱かれる。麦野が送ったデュプイのストラップ……プレイリードッグの家族のように。
「あー……悪い。滝壺、浜面。ちょっと外してくれねえか?」
浜面「え、えっと……」
滝壺「うん。行こう、はまづら」
三人を残して立ち去る二人。そう、ここにはもう一人きりで戦う悲しい少女はどこにもいない。
「――人がいると見栄張るもんな、お前」
禁書目録「意地っ張りだからね、しずり」
殻を破り、翼を広げ、巣立ちを迎えて尚……止まり木を持たぬ鳥はいない。
―――空だけが、三人を見下ろしていた―――
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