過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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947:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/25(日) 16:13:21.96 ID:LC5MmfkAO
〜46〜

心理定規「服部、削板、横須賀達からメールよ。鍋の準備終わったって」

佐天「わかりましたー。それにみんなだいたい集まって来たみたいだし出欠取るよー!一方通行さーん!」

一方通行「……面倒臭ェ」

打ち止め「ちゃんと手上げなきゃダメなんだよ!ってミサカはミサカは……」

初春「毎度の事ながら壮観ですよねこれ……」

心理定規「この面子だけで学園都市をひっくり返せそうね」

一方、第十五学区駅前広場には初春から見て馴染みの顔ばかりがごった返していた。
端から見れば性別も学校もレベルもてんでバラバラな群集が十数人から集っているのだ。
集合場所である河原には数十人は詰めており、ほとんどサークルというより愚連隊である。
その様子を初春と心理定規は点呼を取りに行った佐天の背中を見送りつつ白い息を吐きながら呟いた。

心理定規「……彼も」

初春「………………」

心理定規「彼も変わったわね。いえ、貴女が変えたというべきかしら」

初春「そんな……」

心理定規「謙遜する事はないわ。されたら私が惨めじゃない」

学園都市第七学区を焦土と化したアレイスター・クロウリーとの最終決戦の後――
今では月に一度その時の面子で食事を囲むのが通例にまでなった。
それを見るたびに心理定規が思う事。それはこの食事会を一番最初にやり出した垣根の変化である。

心理定規「私の能力は知ってるわね?」

初春「ええ……」

心理定規「――彼の心は飢えと渇きと身を焼く熱さと骨まで凍る冷たさを持った死の砂漠だった。それは仲間だった私にも変わる事はなかった」

初春を踏み台にし、一方通行と殺し合い、その後も数限りない暴虐の嵐を吹き荒れさせながら歩んだ再生と復活への道のり。
初春とは違った角度から垣根を見続けて来た心理定規にはその変化が信じられなかった。それと同時に

心理定規「そんな砂漠のようだった彼に根付いた花は貴女一人よ。おかげで彼を随分人間らしくしてくれた」

初春「………………」

心理定規「――ありがとう」

その変化を見届けた後、心理定規は垣根から心を離した。
この初冬の星空の空気に溶ける白い息のように。

心理定規「……常識だけは相変わらずないけど」

初春「……たまに私も頭が痛くなります」

そして――奇妙な共感を通じ合わせる二人は同時に笑い合った。




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