110:1 ◆BycwRokz6k
2011/11/12(土) 00:54:07.44 ID:xpKjCRB20
「・・・で、どうすっかなあ」
「ネタ切れか、ぽっぽ?」
「鬼ごっこもしたしー・・・あ、あれは!?ドロケー!ドロケーやってないじゃん!」
「・・・嘘、私もう走りたくないわよ」
「つるこは貧弱だなー!」
「・・・」
「どーしようねえ」
めんまは足をぶらぶらさせ、宿海と視線を合わせて笑った。
俺はぎゅっと拳を握り締める。
――深く考える前に、口が勝手に開いていた。
「・・・帰るか」
しん。
秘密基地は、水を打ったかのように静まり返った。
皆が俺を見ている。
驚いたように。
俺は、余裕な表情をつくれているか、自信がない。
「・・・え?」
口元を若干ひきつらせた安城が、短く零した言葉がそれだ。
「お、おい!何言うんだよゆきあつー!まだ始まったばかりだろ?」
「そ、そうよ!何言ってんの」
久川と安城の言葉は、既に耳を通り過ぎていた。俺はめんまに向けられた、どうして?というような絶望の入り混じった視線から逃げる。
「やりたいことはやっただろ?バーベキューに鬼ごっこ、すいかわりだって・・・。
満足だよな?めんま」
「なんで?ゆきあつ、どうして?」
「こうして夜までいたってやることないし。また今度集まってさ」
ここまで言うと、不思議と誰も俺の言葉に同意するやつは出てこなかった。
ただしいんと、人形のように皆、俺を見つめたままだ。
「どうしたの?ゆきあつ・・・、ねえ」
めんまの腕を掴む。
「なんで、いやだよゆきあつ」
「おい、ゆき・・・っ」
宿海がガタリと椅子を押しのけて立ち上がった。
「ねえ、めんままだ、みんなと遊びたいよ!」
めんまはつかまれた腕を揺さぶって、俺を拒絶する。
「やだっ・・・」
「めんま」
「おい、ゆきあ・・・っ!」
じろりと一瞬で宿海を睨む。静止する様子はない、けれど俺はめんまに耳打ちをする。
「何やってんだよ、おい、ゆきあつ!」
・・・・・・覚えてるだろ、めんま。こいつらは一度、めんまと会うのを拒んだんだぞ・・・・・
「そんなの、・・・関係ないよ!だって今、いっしょに」
「ゆきあつ・・・っ!」
めんまと俺の間に、宿海が割って入ってくる。
なんだ、その目。苛つくな。むかしっからお前は正義感溢れる奴だった。でもどうでもいいんだよ。今は違うだろ、お前こんなときばっかりリーダー面しやがって。何睨んでるんだ、それでめんまを守ったつもりなのか。
「邪魔だ。どけよ、宿海」
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