過去ログ - ゆきあつ「め、めんま…?」
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114:1 ◆BycwRokz6k[sage]
2011/12/03(土) 22:52:48.75 ID:IOqROHYa0
>>113
ありがとう、そんな・・・ありがとう。がんばる



* * *
バタン。

部屋の扉を閉める音は、思いの他乱暴に響く。
秘密基地を出たときの、あの空気を引きずったままだったからか、帰り道は会話が一切無かった。
どう見ても不穏な空気だ。それに耐え切れないのか、俺の真正面にいるめんまは斜め下を見ていた。

けれど、その空気を感じるより先に俺はほっとしていた。めんまが俺の部屋にいることが、俺の空間に囲っておけることが――俺を安心させていたのだ。


「めんま」
声をかければ、びくり、とめんまが震えた。
「・・・・・」
同時に、ぎゅっとめんまは拳を握る。めんまは顔を上げずに下を見たまま。
俺はもう、自分のことで精一杯だ。
めんまの悲しそうな表情や、めんまの少し驚いた仕草を見ても、気にしてられなかった。

そっとめんまの肩に手を伸ばす。
意外な事に、今度はめんまはびくつかなかった。ゆっくりと顔を上げ、瞳を見開いためんまは、俺の顔を見たのだ。

「お願いだ。・・・お願いだから」

青い瞳は、じっと俺を見ている。
先ほどまでの、悲しそうな――・・・何処か申し訳なさそうな瞳の色は、どこかに消えてしまっていた。


めんまの、白い、小さな肩。本当に小さな、肩。
青い、ガラス玉より綺麗な瞳。あの頃のままの白いワンピース。


涙が溢れそうになる。
声が震える。
俺は今、どんな顔をしているんだろう。
情けない顔をしているに違いない。だってめんまの瞳にうつっているだろう自分の顔を覗き込もうとするほどの余裕は無いのだから。


「もう、いなくならないでくれ・・・・・・」
めんまの肩に触れる手に力がこもる。

隠していた思いはどんどん俺の口から滑り落ちていく。
「俺のそばにずっといてくれよ・・・・・、めんま・・・・・」
そう言うと、めんまはひゅっと息を呑んだようだった。同時に、めんまの表情が切なく歪む。

「めんま・・・?」


呟けば、めんまの表情はさらに悲しそうなものになった。カッとなって、大きな声を出してめんまに詰め寄る。理性はもうないようだった。
「なら、なんで俺の前に現れたんだよっ!・・・なんで!!」
ぐっ!と感情のままにめんまの肩を強く握ってしまって、めんまが苦痛を耐える表情が薄く重なる。



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