120:1 ◆BycwRokz6k
2011/12/27(火) 18:45:25.87 ID:XcIGF8xl0
そして、そして、そのとき目の前にあっためんまの笑顔がとても可愛くて、
元気の無い顔より、困った笑顔より、泣き顔より、何よりもやはり笑顔が可愛かったから、言ってしまったんだ。
「お願い分かったら、言ってくれ」
と。
この台詞の後、めんまは本当に嬉しそうに、うん、と笑った。
非常に体裁のいい台詞だと思った。
お願いを教えてくれとは言ったけれど、でも俺は、協力するとも叶えるとも、言っていない。
(めんまをできることなら泣かせたくない。
だったら、嘘はつけない。
でも俺だって、辛い思いはしたくない。)
大丈夫だ。すべて解決。
めんまがお願いを思い出したら、それを教えてもらって、叶わないよう細工すればいいんだろ?
嘘はつかなくていい。手間はかかるかもしれないが、結局は最初と同じってわけだ。
* * *
家に辿り着く。
帰るなり自室へ向かい、ドアを開けるのと同時にめんま、と声をかけてみるが返事は無かった。
(出かけたのか・・・)
毎回毎回何処に行っているのだろうか。まあ、すぐに帰ってくるから外出も許してはいるが。
ふと、生ぬるい風が強めに吹きこんできた。
「?」
窓が開いているのだ。大きいものが何か動いていると思ったらカーテンだった。
めんまが窓を開けっ放しにしていってしまったようだ。網戸はしめてくれといつも頼んでいるのに。
風が止まない。カーテンが風に押されて、何度も何度もはためいた。
アイスが溶けてしまわぬうちに、リビングに向かう。
めんまが帰ってくるまで、何をしていようか。
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