過去ログ - ゆきあつ「め、めんま…?」
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148:1 ◆BycwRokz6k
2012/04/28(土) 15:45:28.81 ID:dTQetXe40

* * *
「よーっ!じーんたん!」
「おー」
秘密基地の扉を開けると、ぽっぽがすぐそこに立っていた。この巨体にももう慣れたぜ。
「ひっさしぶりー!」
「・・・そうでもないだろ?」
・・・にしてもあの気まずい空気で別れた後だっていうのに、ぽっぽはいつも道理だ。あんな出来事があったことなんてちっとも匂わせずにいる。
何も考えてないのか、何も考えてないように見せさせているのか。

「で?で?今日は具体的には何の用なのよ?」
ずいずいと顔を近づけてくるぽっぽからさりげなく逃げる。
「めんまの家に行く」
「めんまの?」
きょとんとしたぽっぽに頷いてみせて、歩き出す。ぽっぽは大きな歩幅で俺に追いつく。

「日記帳を取ってきてほしいんだとさ」
「日記帳・・・?」
「そ」
ぽっぽはあ〜、と何度も頷いた。納得してくれたなら幸いだ。
「めんま、日記なんて書いてたのかあ〜・・・確かにやりそーだな・・・、
にしても、何で?」
めんまが言うには、日記を見たらお願い事もわかるかもしれないから、だそうだ。
めんまも自分で探したいのだが、絶対あやしまれるし(そりゃめんまは誰にも見えないからな)、一人だけだと大変だから、らしい。
その旨を伝えると、なるほどー!、とぽっぽは手を打った。

「この間言ってたお願いってののためか」
「!」
バカやろう。
と言えるわけも無く、ドン、とぽっぽに肘うち。
「うお?」
「・・・じゃ、行くぞ」
気付くか?
「いよっし!歩き?歩き?」
・・・・・。
分かってないかもしれない。

「そう遠くもねーし、歩きでもいいだろ」
「そーか。
・・・いっやあ、それにしたってよー・・・。めんまんち行くのなんてひっさしぶりだな・・・・・
花とか買ってった方がいいのかね?」
花。
それにはっとして、隣にいるめんまに視線を向ける。
めんまは俯いている。
花・・・・・。

「・・・どう、だろうな」
言葉を濁して、歩を進めた。

昨日のことを思い出す。
〜〜〜

「日記帳?」
「そう!めんまの!多分、めんまのうちにあると思うの!」
「い、家!?んなこといったって・・・いきなり俺たちが行っても・・・それに何て言えばいいんだよ?
お前んちの家族、お前のこと大切にしてたじゃんか・・・。日記なんて俺に預けてくれるか」
「だから言うの!」
「・・・言う?何を」
「めんまが、探してること!日記帳を!」
「はあ?信じてもらえるわけ・・・」
「・・・でも、そうでもしなきゃ・・・・・・!めんまもできることはするから・・・っ」
「・・・わかったよ!
でもそれは最終手段な!」
「さいしゅうしゅだん?」
「・・・まずはおまいりに来たって言う。で、部屋も見せてほしいって伝えて、そっから日記帳みせてもらってもいいかってきく。もし、この流れがうまくいかなくて見せてもらえそうもないなら、めんまのことを言ってみる」
「うん!わかったっ!」


〜〜〜
「家かー・・・」
「あのさ、めんまも、今いるんだ。だから日記は一緒に探す」
「って・・・おお!?めんまが!?」
めんまをちらりと見る。めんまはこくりと力強くうなずいた。
「めんま、がんばるよ!」
高らかにガッツポーズをしてみたはいいものの、元気が無いのは一目瞭然だ。
生前の家族に会うことを躊躇っているのかもしれない。




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