過去ログ - ゆきあつ「め、めんま…?」
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158:1 ◆BycwRokz6k
2012/07/11(水) 21:01:04.37 ID:nAqyGkRT0
「見つかったな、日記帳!」
「ああ、ありがとなぽっぽ」
「礼を言われることじゃねーって!・・・で、読む?」
「あー・・・」
「めんまもいるしよ、聞いてみようぜ」
「・・・だってさ、めんま?」
俺たちの一歩前を歩くめんまに声をかける。手にした日記帳の表紙を食い入るようにみつめているめんま。
ああ、ぽっぽからしたら、前方に浮いている日記帳だけが見えるのか?よく驚かないなぽっぽは・・・。

「・・・うーん」

くるりと振り返って、日記帳を見せ付けるように押し出すめんま。でもそれ背表紙だぞ。

「みんなでよも!」
「みんなでよもう、だってさ」
「お!じゃあ俺も読んでいいんだな?」
「いいんじゃね?」


めんまが日記帳を俺に渡した。
・・・とりあえず、適当にページをめくってみる。

『2月16日 
きょうは いいてんきでした!
みんなとあそんだけど、ちょっとさむいけど、たのしかったです!』
『3月4日
うさぎさん!
あなるはいっぱいかわいいのを知っています』
「・・・・・・」
「うお!めんまの字―!」
ぽっぽが盛り上がっているのを横目に、大雑把に内容を目で追っていく。
(お願いの、手がかり・・・)

パラパラパラパラ。
ページをめくるが、カラフルな丸文字でかかれた日記の内容は、だいたい『その日一日の感想』だけだ。

「よくやるよなあー・・・めんまも・・・」
「・・・・」
「あーーっ!!」
「!?」
「ど、どうしたじんたん!」
いっきなりめんまが素っ頓狂な声を出すもんだから、思わず体勢を崩しかける俺。
めんまは今にも走り出してしまいそうに、慌ただしくその場でかけあしなんかをしている。
「じんたん、めんま、いかなきゃ!!」
「え?」
「帰らないと、ゆきあつが心配しちゃう!
じんたん、今日はほんとにありがと!ぽっぽもありがとう!日記、もってかえるね!」
と、俺が持ってる日記に手を伸ばすめんま。

・・・あ!
「ま、まてよ!」
ぴたりと、伸びてくる手は動きを止める。
目の前のめんまはぽかんと口を開けている。

「俺が、持っててもいいけど!」

その時俺は、ちょっとずるいことを考えてしまったんだ。
俺が日記を持ってれば、めんまがまた俺に会いにやってくるんじゃないか、なんていうのを、この一瞬のうちに考え付いてしまった。
そして口実となるせりふを吐いてしまった。

「えっ?」
「だ、だからお前・・・ほら、お前より俺の方が覚えてるかもしんねーだろ昔のこと」
「そうなのかなあ?」
「・・・そうだよ、俺が読んでなんか見つかったら・・・・・伝えるから」
「うーん、うーん!でもー!」
「おーい、何の話してんだー?」
「す、すぐ返すから!今はお前、とりあえずホラ帰れよ・・・」
「でも!」
「じゃー明日、またうちんち来い!」

・・・い、言ってしまった。

「・・じんたーん、顔赤いぞ」
「えーっ?なんでよじんたんー!めんまが自分で探すってきめ・・・」
「よ、よく考えろ!お前が日記帳もって歩いてたらまずいだろーが!他人からしたら日記帳が宙に浮いてるようにみえちまうんだぞ!」
「じんたーん」
「う、・・・う〜〜!」
めんまは悔しそうに地団駄を踏む。
「じゃー明日!明日またじんたんちいくから、絶対絶対日記かえしてねっ!」
「わかってるよ!」


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