200:1 ◆BycwRokz6k
2013/07/10(水) 22:33:59.11 ID:+c8UjBGv0
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それから、ほんの数分後くらい。クッションを抱きしめながらそろそろ転がってみようかと暇をしていたころ。
ガチャリ、と玄関からドアの開く音が!ゆきあつが帰ってきたみたい!クッションを放り投げて立ち上がり、部屋の扉を開けて、そこから顔を出しながらゆきあつを待ちます!
「おかえり、ゆきあつ・・・わ!?」
階段を上ってくるゆきあつのお顔!ものすごい疲れたような、落ち込んでいるような・・・!思わず驚いてしまった。
「・・・どしたの?何かあったの?」
ゆきあつは何も言わずに首を振って、めんまを通り過ぎて部屋に入った。
「ゆきあつ、どこに行ってきたの?」
しーんとしちゃったまんま、何も話さないゆきあつ。そして動かない・・・。
部屋の端っこに座り込んじゃったゆきあつは、すんごく俯いちゃってて・・・。
(えーと、えーと・・・)
「ゆきあつー・・・?」
特に何も考えずに、とりあえず、のそりのそりと、ゆっくりゆきあつに近づいて、顔をのぞきこんでみる。ゆきあつはなんだか少し見覚えのあるような悲しい顔をしてた。それは、とおい昔、さーくんが悪いことしちゃったあとお父さんに怒られた時にしてたような顔。
「・・・」
ゆきあつは何も答えないでいる。
(うーむ・・・)
さーくん、おこられた後・・・どーやって泣き止んでたっけ・・・。あっ、ゆきあつは泣いてないんだけど!
お父さんに怒られて、泣いて泣いて・・・・・・・あ、そだ!お父さんに抱き上げられて、いい子いい子をしてもらってたんだ!
さすがに抱き上げることはめんまできないかも・・・。もうちょっとめんまが大きかったらなあ・・・。
めんまの手のひらを見つめる。お父さんの手は大きかったなあ。ちょっとちっちゃい手だけど、ごめんね?
「・・・いい子いい子!」
「!」
「わあ。ゆきあつ、髪の毛さらさらだ!
めんま負けちゃったかもー。えへへ・・・。」
「・・・・・・」
「・・・ゆきあつはいい子ですよー。大丈夫!大丈夫だよー」
なでつづける。ゆきあつはいい子いい子。
「っ・・・」
「大丈夫・・・」
自分で言ってて、何が大丈夫なんだろうって不思議になっちゃったけど、安心させたいから、ね。
きっと何か、いやなことがあったんだと思うから。
「・・・・っ・・・」
何かをこらえるような声。
何があったんだろう、ゆきあつに。
頭を撫で続けながら、ゆきあつを心配する気持ちもあったんだけど、めんまの心ではもうひとつもやもやする気持ちがうずまいていた。
ゆきあつの髪の毛に触れるたび、胸がちくりと痛んだ。花柄のパッチンのありか、ふと思い出す。
あのとき、応えてあげられなくて、ごめんね・・・。
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