44:1 ◆BycwRokz6k
2011/07/12(火) 23:13:27.48 ID:8iIrXT310
>>41>>42
ありがとう、みんなありがとう
>>43
ごめんな・・・妙に凝り性なところがあって、悪いところとか矛盾してるところとかがあるか気になってしまうんだよ・・・
しっかりと視線を合わせ、まるで石像にでもなってしまったかのように動かないめんまと宿海。
俺が見えるのはめんまの後姿だけで表情こそ見えないけど、
それでも、めんまはきっとその大きな瞳を、ぱちくりとさせているだろうと予想できる。
この歩道橋の近くでは車も走っている。雲も流れているし、コンビニの中の人も動いている。
そんな風に、絶えず時間は動いているはずなのに、この歩道橋の上だけ時間が止まったかのように思えた。
時間が動き出したのは、宿海が動いてからだった。
宿海は俯いて、虚しげに呟く。
「・・・な、ワケ・・・ねーか」
そんな宿海の小さな呟きは、俺に確かに聞こえた。
宿海は顔をあげようとせず、そのままめんまの横を通り過ぎようと歩き出す。
(・・そうだ・・・!そのまま帰れ・・・!お前の見たものは幻だ、嘘だ!俺の横を通り過ぎたらバカにしてやるよ、何してんだよこんな夜中にって・・・!)
しかし、この静寂を宿した空間に響いた、俺の大好きな声が、宿海を引き止める。
「じん・・・たん・・・?」
・・・その声は、宿海にとっては夏の風鈴のように懐かしく、そして綺麗に聞こえたことだろう。
めんまの方向を見た宿海の表情が、それを物語っていた。
「・・・・・じんた・・ん」
ひんやりと、俺の体温が下がる。
生ぬるい温度の夜のはずが、雪さえ降ってきそうな程、寒く感じるのは何故だ。
俺がいることなんて知らないで、めんまも宿海も会話を続けていく。
めんまは、ぽつりと。
「めんま、が・・・・見えるの・・・・・・?」
宿海は、目を大きくして。
「・・・見え、る・・・って?」
目をこすり、顔を上げて宿海はまた目をこすり、頬を引っ張った。
「・・・え・・・、いや、ちょ・・ちょっと待て。嘘だろ、何で・・・」
「見えるんだね、じんたん・・・」
「は・・・っちょ・・・嘘だろ?」
「じんたん、めんまだよ、嘘じゃないよ!」
ああ、ああ、あああああ。
嘘だ
嘘だ!
嘘だ!!!
宿海、中途半端のまま腐っていった宿海!!
昔のリーダーの面影もなく、情けないその姿!お前、めんまに顔向けすら出来ないだろうが!!
お前にとってはめんまの声は幻聴にしかすぎないんだ!!そうだろ!そうなんだよ!!
お前なんかに、お前なんかに!
思い切り握り締めている拳を隠したまま、めんまと宿海に近づいた俺は、不機嫌な様子を隠すことなど出来ないまま、
「めんま。」
めんまに話しかけたんだ。
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