過去ログ - 蛇足 とあるフラグの天使同盟 弐匹目
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866: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/08/07(日) 19:29:09.03 ID:QhSXQyf0o

ぞろぞろと。決壊したダムから溢れ返る大量の濁水のように、いや、純粋な気持ちで
講義を受けに来た学生を濁水に例えるのは些か失礼だろうか。
何れにせよ、最初に入室してきた女子学生を皮切りに、間断なく湧き出る湯水のように
大勢の学生達が風斬氷華専用の教室へと足を運んできたのだ。

あっという間だった。四〇程度の席ではまるで足りなかった。立ったままの状態で
講義を受けなければならない学生が続出する始末だった。

ついさっきまで物音ひとつしなかった室内が、賑やかな喧騒で塗り潰される。


(ど、どど、どうして何で……? うう……誰か助けて……)


大勢の視線を浴びる風斬氷華という名の教師が最初に求めたのは、注目ではなく救済だった。
『天使同盟』や魔術サイドの人間たちとこれまで関わり、談笑してきた事実もあるため失念しがちだが、
本来、風斬氷華は臆病で、どちらかというと人見知りをするタイプの人間、ではなく人工天使だ。

そんな彼女はこれから長点上機学園の授業風景や、単純な"為になる"知識を求めてきた六〇余人の
学生達に教示をしなければならない。
風斬はこれまで感じたことのないプレッシャーによって萎縮してしまっていた。



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