113:LX[saga sage]
2011/08/13(土) 21:31:16.39 ID:Edo06nMD0
「みさか」と言った、その人が廊下を曲がって見えなくなったところで、ぼくは我に返った。
(あのひと、美琴おばちゃんにそっくりだった……
名前も、『みさか』だし、案外親戚だったりして……
でも、なんであのひと、逃げちゃったんだろう……?)
(後を追いかけようか?) とぼくは一瞬考えたけれど、
(会議室からあんまり離れるのはよくないな) と思い直して、
ぼくはサイフから100円玉を取りだして暫く考えた末に、あの「みさか」さんと同じ「ヤシの実サイダー」を買ってみた。
一応、『みさか』さんが「人柱乙」だったわけだしね。
原材料名を見ても、そんなおかしなものの名前はなかった。
プルタブを引き上げ、ぼくはおそるおそる一口飲んでみる。
――― なーんだ、普通のサイダーじゃん ―――
ぼくは安心してヤシの実サイダーを飲み干した。
350ml缶だから、一気にはちょっと無理だった。げっぷも出るし、ね。
でも、残して捨てるなんてことは出来ない。
食べ物は大切にしなければいけません、と美鈴おばちゃんにもきつく言われてきたし、それに第一、もったいないもん。
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