285:LX[saga sage]
2011/10/02(日) 19:42:03.40 ID:67QDoMTN0
なんだよぅ、お父さん、決めてたんじゃないか。
だったら最初からそう言えばいいのに。
「うん。わかった。ぼく、学園都市に来るよ」
ぼくは、お父さんの顔を見て、そしてお母さんの顔を見て、はっきりとそう言った。
「一麻?」 お母さんがぼくの顔を見る。ほんとうにいいのですかって顔してる?
「ぼく、1年は寮に住む。そのあと、お母さんと一緒に住むからさ」
「一麻……」
お母さんがこっちへ来て傍に座って、ぼくの肩を引き寄せた。ぼくのあたまがお母さんの肩に載せられた形になる。
お母さんの体温が感じ取れる。暖かい。
お父さんが僕らを見てふっと微笑んで
「よしわかった。いいんだね? 麻美はそれでいいのかな?」
「かまいません」
お母さんがかすかに笑ったのがわかった。やっぱり、お母さんは笑った方が綺麗だ。
「お父さんはもちろん異議なしだ。じゃ、6年生はこっちで、だな」
「じゃぁ、わたしも今から部屋を当たらなければなりませんね」
「ああ、そうだな。今からなら時間もあるし、良い物件を見つけることも出来るだろうさ」
「一麻が来年からはここに来るのですね」
お父さんとお母さんが嬉しそうに話をしている。
その時、ぼくは気が付いた。
ここに来ると言った瞬間、はっきりとした違和感というか不安感というか、罪悪感と言うべきものが生まれた。
それは。
「美鈴おばちゃん……一人になっちゃうんだ……」
当麻と麻美、二人は顔を見合わせた。
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