34:LX[saga sage]
2011/07/16(土) 19:27:19.75 ID:ZTc52Rp40
ぼくが3歳になったあたりからお母さんの具合が悪くなり始め、ぼくが4つの誕生日を迎えたあと、お母さんは学園都市に行ってしまった。
そこでは最先端の医療技術があるらしく、お母さんはそこで療養することになったのだ。
お母さんは泣いて悔しがった、とお父さんも美鈴おばちゃんも口を揃えて言う。
そのことは、ぼくもうっすらと覚えている。
お母さんは、ぼくをしっかりと抱きしめて、ボロボロと泣いていたような気がする。
お母さんとはそれっきり、一度も会っていない。
小さい頃、ぼくはお母さんに会いたくて、よくだだをこねたらしい。
今でも覚えているけれど、一度小学校2年生の時にぼくは家出をして、学園都市の入り口まで一人で行ったことがある。
エントランスでぼくは保護されて、お父さんと美琴おばちゃんが飛んできて、美鈴おばちゃん家まで「無事」送り届けられた。
結局、お母さんには会えずじまいだった。
お父さんには無茶苦茶に怒られて、ひっぱたかれたけれど、美鈴おばちゃんと美琴おばちゃんが泣いて謝ったので、
それっきりになったっけ……。
それからは、お母さんのお姉さん、美琴おばちゃんが何回かやって来た。
お母さんの声が入ったボイスレコーダーや手紙を持って。
おばちゃんとお母さんはうり二つ、らしい。双子と間違えられたこともあるとおばちゃんは笑って言う。
確かに似てるけれど、お母さんとは違う、と思う。
ぼくにはわかる。
それに。
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