403:LX[saga sage]
2011/12/03(土) 20:23:07.89 ID:7DoxxPIR0
<美琴の回想終了>
(やれやれ、わかってたとはいえ、ライバルが増えるってのは……困ったものね。しかも)「あの子たちなのは」
「ん? あの子たちって誰のことだい?」
「はいっ!?」
最後の部分を声に出してしまった美琴を、不思議そうな顔で当麻が箸を止めて見つめる。
「いや、さっきから難しい顔してさ、なんかブツブツ言ってるし、それが聞こえちゃって。
その、ゴメン。あの、聞き耳立ててたわけじゃないぞ? でさ、お前なんかあったのか?」
(あー、そんなに詳しく言わなくても良いんだってば! よけい恥ずかしいじゃないの、この鈍感!)
ひとしきり心の中で、自分を見つめている当麻をののしった美琴は、今日の本題をぶつけることにした。
「あ、あのさ、来週の水曜なんだけど……」
「ん? 来週の水曜……あ〜、そうか。そうだったな。美琴、おめでとう!」
一瞬目を泳がせた当麻はカレンダーを見ると、美琴を見て優しく微笑んだ。
「う……あ、ありがとう……」
そこには、赤マジックで大きく花丸が描かれ、「美琴20歳」と書き込まれていた。
もちろん、美琴が彼に書かせたものである。
「あはは、忘れてたとか思ってたんだろう、美琴さんは? 当麻さんはちゃんと覚えているのですよ」
「どうだか。カレンダー見て思い出したくせに」
「酷いな。当麻さんは、ちゃぁんと、その日は空けてあるのですよ?」
「うそー?」
「真面目に答えるけど、ホントに空けてある。お前の大事な日じゃないか」
「あ、ありがとう……じゃ、ウチに来てくれる……かな?」
「えぇーっ? そ、それは嬉しいけど、絶対無理だろ? お前のとこ、女子寮で男子禁制でしょーが」
「誰が寮に来てって言ったのよ? 実家よ」
「そ、そうか。なら大丈夫……って、え?……じっか?」
「そう。あたしの家」
サイは投げられた。
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