453:LX[saga sage]
2012/01/03(火) 22:04:39.62 ID:UBf5UB7F0
(……!)
驚愕に美琴の目が大きく開かれる。
「別にいまさら捕って喰おうというわけじゃないから勘違いしないようにね。ただね、あの子たちが、世界に散らばった貴女のクローンがとにもかくにも生き長らえているのは何故か、ちょっと考えてくれると嬉しいんだけれど」
(くっ……)
美琴の、膝においた手に力がこもる。
(こ、こいつら……まだ、あの子たちを……実験道具じゃなくなったら、今度は、人質ってことなの?)
奥歯を噛み締めて、彼女は必死で耐えた。
「えーと、学園都市に今いるのは4人よね? ちょっと待ってね……」
そんな彼女をちらりと眺め、ふっと小さく口で嗤うと笠原はすっと立ち上がり、ゆっくりと自分の机に戻りパネルに向かい指示を出した。
「今現在、学園都市に残っている御坂美琴のクローンの数と番号のデータを送って」
はっと美琴が顔を上げると、10秒ほどで壁のボードが点灯し、そこに彼女ら(妹達<シスターズ>)の番号とデータが表示された。
検体番号 10032 病院勤務
検体番号 10039 事務職派遣社員
検体番号 13577 病院勤務
検体番号 19090 エステサロン勤務
4人のデータを見た笠原は意外そうな顔で誰とも無く語りかける。
「さすがよね、一時期は無職だったのに、ちゃんとそれなりに皆さん立派に働いてるのね。どこかの糞ニートにも見せてやりたいわ……」
(糞ニート? 誰のこと?)
4人の検体番号と仕事先を食い入るように見つめていた美琴は、ふとその言葉を投げかけられた人間が少し気にかかった。
なんと、なく、だったが。
「彼女達が今の生活を続けていけるかどうかは貴女にかかってるわ……というほどではないけれど、でもまぁゼロではないのよ。
覚えておいて頂けると私たちも助かるわ。宜しく御願いしますわよ?」
わかったか、この小娘? と言う顔で笠原が美琴を見すえる。
「で、御坂さん? 余計ついでに言っておくけれど、貴女いずれ必要になると思うから、今のうちに彼女らの中から秘書役を選んでおいた方が良いわよ?」
「は……?」
いきなり自分に振られた美琴は答えを返せない。
(秘書? 秘書ってアレ? なんで学生の私が秘書を?)
今まで険しい顔だった美琴に、明らかに困惑の色が浮かぶのを見て、面白そうに笠原が二の矢を放つ。
「まぁね、別に誰でも良いんだけれど、貴女そっくりの秘書の方がなにかと便利、よ?」
ふふ、と彼女はかすかに下卑た笑いをもらした。
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