527:LX[saga sage]
2012/02/12(日) 20:17:36.11 ID:hKj2xVWl0
「す、すまん、ちょっと携帯を離れた場所に置いてたもんで、気が付かなかった」
「そう? で、今はいいの? 具合、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
「よかった……もう、またあんたが何かとんでもないことに巻き込まれてるんじゃないかって、すっごく心配したんだから! バカっ!」
安心したからだろうか、少し涙声の美琴。
(とんでもないことってのは、当たってますのことよ……お前、本当に鋭すぎるよ)
突っ込む余裕が出てきた当麻。もちろん脳内ではあるが。
「すまん、悪かった」
「そうよ! だ、大体なんで先に一人で帰っちゃうのよ!? しかも黙って行っちゃって……」
「お前が起きてこないからだろー?」
「ならアンタが起こしなさいよ、バカ」
「お前の家で、お前が寝てる部屋にオレが行けるわけないだろ? 美鈴さんがお前を見に行って『起きれないようです』って言ってくれたしさ」
「う、うっさい! 帰ったら怒るからね、私、怒ってるんだから、酷いからね! 覚悟しなさいよっ!」
「上条、いいかげんに電話を終わらせろ。話が出来ない」
頭の上から、またもや雲川芹亜の声が降ってきた。
えっ? と言う顔で上を見る上条当麻の手から、彼女はスッと携帯を抜き取る。
「ちょ、ちょっと先輩!」
抗議する当麻をフンという顔で無視した雲川は、彼の携帯でしゃべり始める。
「すまないな、御坂美琴。ちょっと彼を借りている。少し遊ばせてもらったけど。礼を言う」
「ちょっと、誰アンタ? なんで当麻の携帯にアンタが出んのよ? どういうことよ、ちょっと当麻に代わってよ!?」
「ああ、私は雲川芹亜だ。上条の2年上にいた。だからお前が入った時に私は卒業したわけで、お前の先輩でもある。
すまんが、彼とこれから重要な話をするので切らせてもらう。話の内容は後で上条から聞くと良い。
……しかし、実にいいところでキミは電話をしてきたな? さすが伊達にレベル5、学園都市第二位を張ってはいないな。
……ああ、それから忠告しておくと、お前が当麻をものにしないのなら、私が頂くかもしれんぞ? いや、私以外にもそういうのはいるからな、覚悟しておくんだな、ハハハ」
真っ青になる当麻。
一瞬絶句したあと、低い美琴の声。
「あんた……当麻に何かしたの?」
当麻の方を向き、ニヤと笑った雲川は何も答えずに「ピ」と通話を切った。
「上条? 五月蠅いから電源も切っておけ」
そういうと、ひょいと彼女は携帯を当麻に返し、今度は彼の向かいの椅子に腰を下ろした。
いつの間にか着替えてきていた雲川芹亜。
先ほどの妖艶さは綺麗さっぱり姿を消し、威厳を伴った一人の女性がそこにいた。
「さて、本題だ。……手短に言おう。上条当麻、お前には学園都市統括理事会の外交委員会に入ってもらいたい。異論は許さないが質問は許す」
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